スタッドレスタイヤへの交換費用は修繕費になるのか?
2020.01.3
寒くなってくると、社用車のタイヤを冬用に履き替えることがありますよね。
今回は、スタッドレスタイヤを購入した時の経理について、税務上の扱いを踏まえながら解説します。
「修繕費」か「資本的支出」か
タイヤのように、資産の一部を構成するものを交換した場合、その支出が「修繕費」か「資本的支出」のどちらにあたるかを考えなければなりません。
「修繕費」とは、その資産(=車両のこと)の維持管理を目的とするもの、「資本的支出」とは、その資産の価値を高めるものをいいます。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
通常の買い替えは「修繕費」に
摩耗したタイヤは、新しい物に交換しなければその機能を保つことができません。
劣化によって同じようなグレードのタイヤに買い替えるような通常の交換の場合、支出額に関わらず「修繕費」となります。
「修繕費」であれば、全額費用として処理することができます。
勘定科目は「修繕費」でも「車両費」でも、管理しやすいものを使って構いません。
性能の高いタイヤにする場合は「資本的支出」に
スタッドレスタイヤは、通常のタイヤより性能の高いものと考えられますので、資本的支出と捉えることが一般的です。
資本的支出であれば、その取得価額を「車両」など元の資産の勘定科目を使用して資産に計上し、本体と同じ耐用年数で減価償却をします。
つまり車両と同じ耐用年数で、タイヤ4本分の取得価額を、そのタイヤの使用開始月から減価償却するということです。
「20万円未満」であれば「修繕費」へ
ただし資本的支出に該当する支出でも、その金額が20万円未満であれば「修繕費」として処理します。
タイヤ4本ですから、多くはこの価額内に収まりますので、スタッドレスタイヤであっても資産計上する例というのは少ないと考えられます。
もし20万円以上の場合は、資本的支出かどうかの判断チャートで、資本的支出になるのか、修繕費となるのかを判定することになります。
チャートはこちらの記事に掲載しています。
少額減価償却資産の特例は使える?
青色申告者である中小企業者には、少額減価償却資産の取得価額の特例があります。
この特例は、取得価額が30万円未満である資産について、その全額を使用開始した事業年度の必要経費・損金の額に算入できるというものです。
しかしながら、これは個別の資産に適用されるものですので、社用車の一部として購入したタイヤには適用されません。
タイヤのみで資産計上するケースがないとは言い切れませんが、タイヤの履き替えという今回の事例では、上記のとおり、資本的支出か修繕費かで検討することとなります。
そして20万円未満であれば、修繕費(勘定科目は任意)で処理します。
まとめ
スタッドレスタイヤへの履き替えは、20万円未満であれば、修繕費として処理できます。判断に迷ったときは、税理士にご相談ください。
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