レジャークラブの年会費や入会金が会社の経費になる要件
2021.03.15
会社の福利厚生として入会するスポーツジムなどのレジャークラブ(宿泊施設、体育施設、遊技施設その他のレジャー施設を会員に利用させることを目的とするクラブ)の年会費などの利用料は、一定の要件を満たせば、福利厚生費として会社の経費になります。
また、有効期限付きの入会金を加入時に支払った場合、これも一定の要件を満たせば、繰延資産として最大5年で償却しながら経費にできます。
年会費などの利用料と、入会金で分けて考えることがポイントです。
年会費などの利用料を福利厚生費にするための要件
年会費や年決めのロッカー代など施設を利用するための料金を、福利厚生費として経費にするには、次の2つの要件を満たす必要があります。
・法人会員として契約すること
・全員で利用できるものにすること
法人会員として契約すること
まず施設の利用契約を、法人契約にすることがポイントです。
仮に、法人契約ではなく個人が契約したスポーツジムの利用料を会社が代わりに支払っている場合は、経費は経費でも現物給与の扱いになります。
役員に対する給与であれば、定期同額の要件を満たさず、経費にもなりません。
ただし、例外的に、その施設に法人会員制度がないために個人会員という形をとっている場合であれば、法人契約した場合と同じ扱いが認められます。
全員で利用できるものにすること
全員で利用できるものにするとは、特定の役員や従業員だけが利用できるものにしないということです。
一部しか利用できないものは、その対象者の個人的な利用とみられてしまい、現物給与の扱いとなります。
「これは個人的な利用では?」という疑いをもたれないためには、会社でレジャークラブの利用規程を定め、その中に誰でも自由に利用できる旨の条項を入れて周知しましょう。
入会金などの利用料を経費にするための要件
入会金は原則、資産計上をしなければならず、すぐに経費にすることはできません。
ただし、一定の要件を満たす入会金は、「繰延資産」として処理することができます。
なお、入会金も個人的な利用にあたるものであれば給与扱いとなります。
繰延資産とは
費用のうち、その効果が1年以上に及ぶものです。
長期前払費用などで資産計上した後、それぞれの償却期間に応じて、繰延資産償却などの勘定科目を使って経費にします。
レジャークラブの入会金が繰延資産になる要件
要件は、
・有効期間があること
・その入会金が脱退時に返還されないこと
です。
この要件を満たす入会金であれば、契約期間(最大5年)で償却しながら経費にできます。
なお、繰延資産は20万円未満であれば全額を一時償却することが認められています。
よって上記の要件を満たし、かつ20万円未満であれば、すべてその年度の経費として処理して構いません。
繰延資産にあたらない入会金の扱い
有効期間の定めがないものであれば、脱退した年度の経費になります。
脱退時に返還されるものであれば、預け金などで管理します。この場合、経費になりません。
レジャークラブの年会費や入会金が会社の経費になる要件記事まとめ
・レジャークラブの利用料を経費にするには、年会費等と入会金を分けて考える
・個人的な利用とみなされないよう注意
・入会金は資産計上するが、脱退時の返還の有無や利用期間の設定の有無で扱いが変わる
なお、ゴルフクラブを福利厚生として利用する場合は、通常のレジャークラブとは少し異なる扱いがあります。たとえば、年会費が交際費扱いになる点などです。
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