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輸出取引で消費税が還付されるしくみを基本から解説

2021.11.2

この記事では、輸出取引で消費税が還付されるしくみについて、消費税の基本から解説します。

輸出取引で消費税が還付されるしくみ

そもそもなぜ消費税の還付が発生するのか

消費税の納税額は、一般課税の場合(簡易課税ではない、原則の課税方式の場合)、事業で受け取った消費税から、支払った消費税を基礎とする「仕入控除税額」を控除した金額になります。
もし、その課税期間における仕入控除税額が受け取った消費税を上回る場合には、消費税の還付申告をすることによって、差額の還付を受けることができます。

消費税の仕入控除税額の計算方法

仕入控除税額を計算するポイントは、「課税売上割合」です

課税売上割合とは

課税売上割合=課税期間中の課税売上高/課税期間中の総売上高

仕入控除税額と課税売上割合の関係

もし、その課税期間の課税売上割合が95%以上で、かつ、課税売上高が5億円以下であれば、仕入控除税額は、課税仕入れによって支払った消費税の全額になります。
95%未満であっても、個別対応方式を選択している場合、「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」であれば、その課税仕入れにかかった消費税を全額控除することができます。
「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」とは、簡単にいうと、課税売上の発生のみに対応している課税仕入れのことです。
非課税売上に対応している課税仕入れとは区別することで、消費税の転嫁が適正に行われるしくみになっています。
なお、これらを区別せずに仕入控除税額を計算する方法もあります。
仕入控除税額の詳しい計算については、こちらの記事をご覧ください。

輸出は免税取引となる

海外に、課税資産である商品を輸出したときの売上高は、「免税取引」となります。
「免税取引」とは、消費税の課税取引にはあたるものの、売却した物や提供したサービスの消費地が海外であることから、消費税を免除しているものです。
海外の事業者に、日本の消費税を負担させることができないため、このような取扱いが必要になります。
ここでポイントとなるのは、免税取引といっても、法律上は「課税売上」(=課税資産の譲渡等)にあたるということです。
したがって、免税取引のために行った課税仕入れに含まれる消費税は、ルール上、仕入控除税額に計上することができます。
この特殊な取扱いから、免税取引はよく「0%の課税取引」と説明されます。
なお、免税取引の適用を受けるには、税関長がこの取引にあたると証明した「輸出許可書」などの保管が必要になります。保存期間は7年です。

免税取引があるときの課税売上割合

免税取引による売上は、課税売上です。
したがって、免税取引があるときの課税売上割合を計算するときは、分母と分子の両方に免税売上高を加えます。
仮に、その会社の課税期間中の売上高が、すべて免税売上高であれば、課税売上割合は100%になります。
この場合、課税売上高が5億円以下であれば、事業のために支払った消費税をすべて仕入控除税額とすることができます。
また、非課税売上高も発生していて、課税売上割合が95%未満であっても、前述のとおり、免税取引による課税売上高のみに対応している課税仕入れに含まれる消費税は、個別対応方式によって、全額を控除することができます。

輸出取引における消費税が還付されるしくみ

最後になりましたが、輸出取引で消費税が還付される理由について、計算例で解説します。
【計算例】
・国内の取引先から税込み110万円(消費税額10万円)で仕入れた商品を、外国の企業であるA社に200万円で売上げた
・A社への売上は免税取引の要件を満たしている
・課税期間中、上記以外の取引はなかったものとする
(解説)
まず、輸出した商品の売上高200万円は免税取引ですので、受け取った消費税は0円です。
これに対して、商品の仕入れのために支払った110万円は、免税取引のための課税仕入れですから、110万円に含まれる消費税額10万円が仕入控除税額の対象になります。
当期の課税売上割合は、100%(200万円/200万円)ですから、10万円が、全額控除となります。
よって「消費税額0円-仕入控除税額10万円=差引税額△10万円」で、10万円の還付を受けることができます。

輸出取引で消費税が還付されるしくみを基本から解説 まとめ

免税取引となる輸出を行ったとき、その売上高は、課税売上割合の分母と分子の両方に加えます。
また、免税取引のために行った課税仕入れは、仕入控除税額の対象になります。
輸出取引で消費税が還付されるしくみを基本から解説

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