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【令和6年1月1日~】相続空き家の特例が改正されました

2024.05.8

相続空き家の特例とは

相続空き家の特例とは、被相続人の生前の住まいであった空き家を相続してそれを売却する場合、その譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

増える空き家問題に対処するための一手として平成28年4月1日から始まった税制になります。

その後、特例の細かい部分が何度か見直されており、少しずつ相続人(納税者)にとって使いやすいもの、言い換えると、より多くの相続空き家に使える内容に変化してきました。

今回もまた、令和5年度税制改正によって、空き家特例の施行期間が令和9年12月31日まで延長されるとともに、令和6年1月1日以後に行われる売却について、2つの改正が行われました。

2つのうち1つについては、特例の対象範囲の拡充となりますが、もう1つについては、相続の状況によっては改正前より不利になる内容になっています。

相続空き家の特例を活用するメリット

相続した空き家を売却する際、その売却代金や取得費等によっては、所得税・住民税の課税対象になる「譲渡所得」が発生することがあります。

しかし、相続空き家の特例を使うことによって譲渡所得から最大3,000万円を控除することができるため、場合によっては税金を発生させずに売却することが可能となります。

空き家を売った時に発生する譲渡所得のしくみについては、こちらの記事で解説しています。

相続空き家の特例を適用するには

相続空き家の特例を適用するには、さまざまな条件を満たす必要があります。

詳しい条件についてはこちらの記事で解説しています。

【令和6年1月1日~】相続空き家の2つの改正点

令和6年1月1日以後の空き家特例の改正点は、下記の2つです。

・特例の対象になる売却方法の拡充

・3人以上で空き家を相続した時の控除額の引き下げ

特例の対象になる売却方法の拡充

改正前は、耐震基準に適合していない家屋の売却は特例の対象外になっていました。

そのため、相続した空き家が耐震基準に適合していない場合、次のAまたはBの対応によって、特例を適用できるようにする必要がありました。

・A:相続人側で耐震リフォームを施してから売却をする

・B:相続人側で家屋を取り壊し、敷地のみを売却する

改正後は、売却時に耐震基準に適合していない空き家であっても、翌年2月15日までに耐震リフォームを施すか、同日までに家屋のすべてを取り壊すこと(あるいは除却・滅失)によって、特例を適用できるようになりました。

つまり、売却後に買い手が上記の条件を満たすことでも、特例を適用できるようになりました。

3人以上で空き家を相続した時の控除額の引き下げ

相続人が3人以上で相続をする場合、1人あたりの控除額が3,000万円から2,000万円に引き下げられます。

これまでは、空き家となった生前の住まいを相続する人数が多いほど控除額が大きくなる仕組みでしたが、2人と3人のケースでは金額が変わらなくなったということです。

こちらについては、居住用財産に関する優遇措置の整理合理化の観点からの改正と説明されています。

改正ルールの適用日

上記の改正の対象になるのは、令和6年1月1日以降の売却になります。

なお、改正後の特例の施行期限については、現行法で令和9年12月31日までの売却に限られていることに注意が必要です。

相続空き家の改正によるメリット

特例対象になる売却方法が拡充された件については、相続した空き家の売却について相続人がより柔軟に対応できるようになります。

例えば、相続人が高齢である場合や遠隔地に住んでいる場合は、ご自身で更地にするための工事などの手続きが難しいことがあります。

こうした場合、空き家の放置に繋がることも考えられますが、改正後は売却先の不動産業者などが更地にするなどの条件を満たすことでも特例の対象になるため、売却を検討しやすくなったといえるでしょう。

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