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少額飲食費は「接待飲食費×50%」の「接待飲食費」に含まれるのか? 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

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少額飲食費は「接待飲食費×50%」の「接待飲食費」に含まれるのか?

2024.06.26

令和6年度税制改正による改正法が公布されました。

このうち、少額飲食費の金額基準の引き上げ(1人あたり5,000円→10,000円)も予定どおり施行が決定し、法人が「令和6年4月1日以後」に支出する飲食費について適用が開始されています。

通常の改正と異なり、事業年度単位での改正ではなく「支出日」を基準とする改正である点に注意が必要です。

ところで、この少額飲食費については、これまで1人あたり5,000円だったものが、倍の10,000円になったことによって、今まで意識してこなかったことが気になりはじめている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、「接待飲食費×50%」の計算をする時の「接待飲食費」に、少額飲食費を含めるのか、含めないのかについて解説をします。

「接待飲食費×50%」の損金算入ができる法人の範囲

法人が支払う交際費等は原則として損金不算入である(=経費にならない)ものの、期末の資本金や出資金の金額によっては「接待飲食費×50%」や「年800万円」まで損金算入が認められます。

令和2年4月1日以後に開始する事業年度における、資本金等の額と交際費等の損金算入額のルールは、下記のとおりです。

・資本金1億円以下

「接待飲食費×50%」または「年800万円」(選択適用可)

・資本金1億円超え100億円以下

「接待飲食費×50%」

・資本金100億円超え

損金算入は不可

このように、期末の資本金や出資金が100億円以下の法人については、「接待飲食費×50%」までを損金に算入することができます。

接待飲食費の範囲

それでは、「接待飲食費×50%」の「接待飲食費」の範囲はどのように定められているのでしょうか。

「接待飲食費」は、「①交際費等」のうち、「②飲食その他これに類する行為のために要する費用で、社内飲食費にあたらないもの」であり、かつ、「③一定の帳簿書類を保存しているもの」として定められています。

少額飲食費は「交際費等」にあたらない

そもそも「交際費等」は、次のように定められています。

【租税特別措置法第61条の4第6項】

(前略)交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下この項において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)(以下省略)

重要な部分は、最後の「『次に掲げる費用』のいずれかに該当するものを除く」という部分です。

この『次に掲げる費用』の一つとして、少額飲食費が掲げられています。

つまり、少額飲食費は、法律上の交際費等にあたりません。

このことから、交際費等であることを前提とする「接待飲食費×50%」の「接待飲食費」についても、少額飲食費は含まれないことになります。

「飲食その他これに類する行為のために要する費用」とは

「飲食その他これに類する行為のために要する費用」についても確認しておきましょう。

国税庁のFAQによれば、次のような費用を例示しています。

・自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」

・飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等

・飲食等のために支払う会場費

・得意先等の業務の遂行や行事の開催に際して、弁当の差入れを行うための「弁当代」(得意先等において差入れ後相応の時間内に飲食されるようなもの)

・飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」

(出典)国税庁:接待飲食費に関するFAQ

ただし、上記に該当する費用であっても、社内飲食費は「接待飲食費」に含まれません。

社内飲食費とは、専ら当該法人の役員若しくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものです。

わかりやすく言えば、自社の人以外が参加しない飲食になります。

あくまで「自社のみ」であることが要件なので、親会社やグループ内の他社に対する接待であれば、社内飲食費にあたりません。

「一定の帳簿書類を保存している」とは

次の事項が帳簿や書類(飲食店等から受け取った領収書など)に記載されていることも必要になります。

・飲食等の年月日

・参加した者の氏名または名称及びその関係

・飲食費の額、店名と所在地

・その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項

(※)「少額飲食費」として経費にする場合は、上記に加えて「参加人数」が必要です。

参加した者の名称や関係を記載しなければならないことはとても大変ですが、これは、参加した得意先や仕入先などが事業関係者であり、かつ、社内飲食費でないことを明らかにするために必要です。

原則的には、「○○会社〇〇部、〇〇(氏名)、卸売先」のように記載しなければなりませんが、相手側から多数の従業員が参加した場合は、氏名を「○○会社〇〇部、〇〇部長他10名、卸売先」のようにしてもよいとされています。

まとめ 少額飲食費は接待飲食費に含まれない

少額飲食費は、「接待飲食費×50%」の接待飲食費には含まれません。

税制が改正されたことがきっかけで、それに関連する処理の誤りに気が付くことがあります。

法人の税務や申告でお困りの際は、当事務所にご相談ください。

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