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月次減税・個人事業主・不動産オーナー・副業者のための定額減税Q&A

2024.07.10

定額減税のわかりにくいポイントを個人事業主・不動産オーナー・副業者などに向けてQ&A形式でまとめました。

定額減税のQ&A(個人事業主向け)

Q:個人事業主はどのように定額減税を受けますか?

A:所得税と住民税を別々に受けることになります。まず所得税は、予定納税があればその第1期分から本人分の所得税3万円が減税されます。そして、確定申告において正しい減税額を控除した後の所得税額によって差額を精算します。通常であれば、その年の所得税が30万円、その年に20万円の予定納税をしていた場合、確定申告で差額の10万円を納税します。これに定額減税3万円が適用された場合、その年の所得税は27万円、予定納税は17万円で、差額の10万円を納税するイメージです。予定納税がない方や、予定納税における減税額に過不足がある方は、確定申告で差額を精算できます。

住民税は、普通徴収の方が多いと思います。普通徴収であれば、第1期分(6月分)以降の納税額から、本人や扶養しているご家族分(1人あたり1万円)が減額されて通知されます。住民税については、特に手続きは必要ありません。

Q:予定納税からの定額減税には何か手続きが必要ですか

A:何も手続きをしなければ、予定納税の第1期分から本人分の所得税3万円のみが減税されます。この機会にご家族の分の減税も受けたい場合は「予定納税額の減額申請」をする方法があります。ただし、減額申請の要件に該当しなければこの手続きはできません。例えば、今年の所得税の見積もり額が前年を大きく上回っている場合は手続きの対象外になってしまうことがあります。なお、確定申告をすることによって家族の分を含めた定額減税が受けられますので、家族の分の減税はそれまでお待ちいただくことも可能です。

(注)定額減税の実施に合わせて、今年の予定納税のみ第1期分の納期限や申請期限が延長されています。詳しくはこちらで解説しています。

Q:私の妻は青色事業専従者です。妻の減税分は私が受けられますか

A:受けられません。青色申告者の事業主様による月次減税によって妻自身の所得税や住民税から控除を受けます。減税不足が生じた場合は、市町村からの「調整給付」の対象になります。

Q:月次減税を実施せず、年末調整で一律減税を実施してもよいでしょうか?対象者は納得しています。

A:おっしゃりたいことはとてもよくわかります。しかし残念なことに月次減税には実施するかどうかを選択できるルールではなく、国税庁も対象要件を満たす者すべてに月次減税を実施するよう指示しています。ご不安があれば、会計事務所などに給与計算を依頼してもよいと思います。

Q:合計所得金額1,805万円を超えることがわかっているのですが、月次減税をする必要があるのですか

A:合計所得金額が1,805万円を超える見込みの者も、月次減税の対象になります。減税された分、年末調整や確定申告における所得税の負担感が例年よりも大きくなると考えられますので注意が必要です。

定額減税のQ&A(不動産オーナー・副業者向け)

Q:私は会社員ですが、所有する不動産から賃貸収入も得ています。この場合、合計所得金額1,805万円以下はどのように判定するのですか?

A:令和6年の給与所得(源泉徴収票の給与所得控除後の金額)と不動産所得(収入-必要経費-青色特別控除)の合計になります。

Q:私は会社員ですが、所有する不動産から賃貸収入も得ており予定納税をしています。給与と予定納税でそれぞれ所得税の定額減税を受けてしまっているのですが問題はありますか

A:給与、年金、予定納税からの先行的な減税は特に優先順位なしに実施されますので、重複状態になる方もいらっしゃいます。この重複は令和6年分の確定申告をすることで解消されますので問題ありません。ただ、確定申告での納税負担がいつもより重く感じられる可能性はあります。

Q:複数の所得があるため所得税の定額減税を重複して受けているのですが、この重複を解消するために確定申告をする義務があるのでしょうか

A:定額減税が重複している状態を解消するために確定申告をしなければならないわけではありません。確定申告義務の有無は、通常どおりに判定します。通常どおりとは、例えば会社員なら、年末調整をした給与所得以外に20万円を超える所得があるかどうかなどで判定するということです。

なお、医療費控除の申告など、所得税の還付を受けるために自ら進んで確定申告をしたことによって、重複状態が附随的に解消されることはありえます。

定額減税のQ&A(給付金関係)

Q:納税額が少額であるため控除しきれない定額減税が発生するのですが、どうなりますか?

A:市町村から1万円単位で「調整給付金」が支給されます。例えば所得税と住民税を合わせた減税不足額が「2.5万円」である場合、1万円未満を切り上げた「3万円」が支給されます。なお、所得税の不足分額はあくまで「見込み」で計算されています。そのため、令和6年分の所得の確定後に、さらなる不足額が生じることもありえますが、その場合は追加の支給が検討されているようです。

Q:私と別生計である両親は、2人とも住民税の均等割のみ課税されており所得割は非課税です。定額減税は受けられますか

A:住民税非課税世帯は定額減税が実施されませんが、その代わりに自治体から別途給付がおこなわれます。ご両親のように均等割のみ課税される世帯についても住民税非課税世帯と同じく定額減税の対象にはならず、給付金の対象になります。(参考:1世帯あたり10万円または7万円。子育て世帯は加算あり)

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