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特定新規設立法人の判定:「特定要件」をわかりやすく解説

2024.08.21

特定新規設立法人とは

特定新規設立法人」とは、新たに設立された法人のうち、設立1期目から消費税の納税義務が免除されない法人を指します。
新しく設立された法人については、納税義務の判定対象となる基準期間(基本的には前々期)や特定期間(基本的には前期の前半6か月)が存在しないため、基本的に納税義務はありません。
ただし、基準期間がない法人であっても、資本金が1,000万円以上の場合や、1,000万円未満でも「特定新規設立法人」に該当する場合は、設立1期目から消費税の納税義務が発生します。
「特定新規設立法人」とは、基準期間のない法人のうち、その事業年度の開始日に「特定要件」と「5億円超え判定要件」の両方に該当する法人のことです。

この記事では、特定新規設立法人の判定要件の一つである「特定要件」について解説します。

「特定要件」とは

特定要件とは、基準期間のない事業年度開始の日において、「他の者」によりその新規設立法人が支配される一定の場合に該当する状態を指します。

具体的には、その支配の状態が【1】~【4】のいずれかに該当するかどうかで判定します。

ここからは【1】~【4】について、特定新規設立法人の判定対象となる会社を「A社」として解説します。

【1】過半数の株式・出資を他者が有している

まず【1】は、他の者(個人や法人)がA社の「発行済株式の総数」または「出資総額」の50%を超える(※1)株式または出資を有する場合です。

(※1)「発行済株式の総数」または「出資総額」の50%超は、A社の所有分を除いて判定します。以下、【2】~【4】で同じです。

【2】過半数の株式・出資を他者とその関係者が有している

続いて【2】は、「他の者」及び「他の者と一定の関係のある者(※2)」が、A社の「発行済株式の総数」または「出資総額」の50%(※1)を超える株式または出資をする場合です。

上記【1】との違いは、単体では50%を保有していなくとも「一定の関係のある者」と合わせて50%超えを保有している場合が該当することにあります。

「一定の関係のある者(※2)」については複数の要件があるため、まずは代表的な例を示します。

【例1】

A社への出資の割合

・Bさん(個人):40%

・C社:20%

・C社はBさんから100%出資を受けている

この場合、Bさんにより完全支配されている「C社」は、「Bさん(他の者)と一定の関係のある者」に該当します。

したがってA社は、「Bさん」及び「C社」から、合わせて50%超の出資を受けているため、特定要件を満たします。

このように、単体の個人や法人から経営を支配されていないとしても、完全支配関係にある法人と合算して50%を超える場合、特定要件を満たすことになります。

【例2】

A社への出資の割合

・Bさん(個人):40%

・C社:20%

・C社はBさんとBさんの長女から100%出資を受けている

「特定要件」における完全支配関係は、「他の者」が個人である場合、その親族等も含めて判定します。

このことから、「BさんとBさんの長女」により完全支配されている「C社」は、「Bさん(他の者)と一定の関係のある者」に該当します。

したがってA社は、「Bさん(とその親族等)」及び「C社」から、合わせて50%超の出資を受けているため、特定要件を満たします。

【一定の関係のある者(※2)】

次のアからエのいずれかにあたる個人や法人です。(【2】~【4】で同じ)

ア:他の者の親族等

「他の者(個人)」の親族、事実婚の相手、使用人、他の者の試算によって生計を維持している者、これらの者と同一生計である親族

イ:「他の者」が「他の法人を完全支配している場合(※3)」における他の法人(「他の者」が個人である場合、上記アの親族等を含めて判定する)

ウ:「他の者」及び上記イの法人が他の法人を完全支配(※3)している場合における他の法人

エ:「他の者」と上記イ及び上記ウの法人が他の法人を完全支配(※3)している場合における他の法人

【例1】と【例2】は上記イに該当します。

【他の法人を完全支配している場合(※3)】

次のいずれかに該当する場合をいいます。

・他の法人の発行済株式等の全部を有する場合

・他の法人の一定の議決権につき、その総数の全部を有する場合

・他の法人の株主等(持分会社の社員に限ります。)の全部を占める場合

【3】過半数の議決権を他者とその関係者が有している

続いて【3】は、他の者及び「他の者と一定の関係のある者(※2)」が、A社の「一定の議決権」の総数の50%(※1)を超える数を有する場合です。

前の【2】は株式・出資の割合で判定しましたが、【3】はこれを議決権の割合で判断する要件になります。

なお、議決権を行使できない株主等がある場合、その議決権は除外して判定を行います。

「一定の議決権」とは次の権利をいいます。

・事業の全部若しくは重要な部分の譲渡、解散、継続、合併、分割、株式交換、株式移転または現物出資に関する決議に係る議決権

・役員の選任及び解任に関する決議に係る議決権

・役員の報酬、賞与その他の職務執行の対価として法人が供与する財産上の利益に関する事項についての決議に係る議決権

・剰余金の配当または利益の配当に関する決議に係る議決権

【4】他者とその関係者が過半数を占める場合

最後の【4】は、他の者及び「他の者と一定の関係のある者(※2)」の数が、A社の株主等(持分会社の社員に限る)の過半数を占める場合です。

A社が持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)である場合が対象であり、一人につき一議決権となる特徴から、その人数で判定するものと考えられます。

まとめ

新規に設立した法人において、特定要件や特殊関係法人の5億円判定要件に該当するかどうかの判断はとても重要です。

ご不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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