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融資における保証料の勘定科目と仕訳方法を税理士が解説します 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

三宅正一郎税理士事務所

税理士コラム

自己破産しても海外旅行に行ける!渡航の条件と自己破産後の決済手段も解説

自己破産しても海外旅行に行ける!渡航の条件と自己破産後の決済手段も解説

自己破産は借金の返済ができなくなった人が裁判所に申立てを行い、支払いを免除してもらう手続きです。

自己破産をしても海外旅行は可能ですが、渡航に裁判所の許可が必要な場合もあります。

渡航に裁判所の許可が必要になるのは、破産管財人が選任される管財事件の手続き中に限られます。

2025年に終わった個人の破産81,016件のうち、62.1%にあたる50,327件は同時廃止で、破産管財人は選任されていません。

個人の自己破産の6割以上は、渡航の制限を受けずに手続きが終わっています。

参照元:令和7年司法統計年報 民事・行政編 第108表 – 裁判所

今回は自己破産をした人が海外旅行に行くための条件と、手続きが渡航に与える影響を解説します。

クレジットカードの代わりに利用できる決済手段や、税務上の注意点まで整理しました。

この記事でわかること
  • 自己破産をしても海外旅行に行ける
  • 海外旅行へ行くための条件がある
  • 自己破産の記録が残る物は3つある
  • 自己破産が海外旅行に必要な物に及ぼす影響
  • クレジットカードの代わりに使えるカード3選
  • 自己破産後の海外旅行で気を付けたい税務上のポイント

本記事により、自己破産をする人が海外旅行へ行く方法と必要な準備がわかります。

監修
三宅正一郎
三宅正一郎税理士|三宅正一郎税理士事務所 代表名古屋市北区の税理士。法人・個人の税務顧問、会社設立、創業融資支援に幅広く対応。
この記事の内容
  1. 自己破産をしても海外旅行は可能である
    1. 同時廃止事件は実務上、渡航の制限を受けない
    2. 裁判所の許可により管財事件でも渡航できる
    3. 自己破産の手続き後は自由に移動できる
  2. 自己破産の記録が残る物は3つある
    1. 官報に氏名や住所が掲載される
    2. 破産者名簿に掲載されるのはごく一部の破産者のみである
    3. 自己破産すると信用情報に事故情報が登録される
  3. 自己破産が海外旅行で必要な物に及ぼす影響を解説
    1. 自己破産をしてもパスポートは使用できる
    2. 海外旅行に持参できるのは最小限の現金である
    3. クレジットカードは使用できなくなる
    4. クレジットカードに付帯する海外旅行保険は利用できない
    5. 料金の滞納や未払いがないスマートフォンは継続して使用できる
  4. クレジットカードの代わりとして使えるカード3選を解説
    1. デビットカードは審査なしで作れる
    2. プリペイドカードは自己破産をした人も新規で発行できる
    3. 自己破産者以外が本会員の家族カードは使用できる
  5. 自己破産後の海外旅行で気を付けたい税務上のポイント
    1. 海外送金が100万円を超えると税務署に通知される
    2. 現金の持ち出しが100万円相当額を超えると税関への申告が必要
  6. 自己破産と海外旅行に関するよくある質問
  7. 自己破産の手続きをする人が海外旅行へ行く際は専門家に相談しよう

自己破産をしても海外旅行は可能である

自己破産と海外渡航:許可が必要なのは管財事件の手続き中だけ

債務整理は個人の自由や権利を奪う物ではないため、自己破産をした人も海外旅行は可能です。

以下のいずれかの条件に当てはまる場合は、渡航ができます。

  • 自己破産の手続きが同時廃止事件で扱われている
  • 裁判所の許可を得ている
  • 自己破産の手続きが完了している

自己破産の手続き方法と時期によっては、破産者の渡航が制限されます。

制限される理由は破産法第37条で、破産者が居住地を離れる際は申立てにより裁判所の許可を得なければいけないと定められているからです。

参照元:破産法 第37条 – e-Gov法令検索

居住地を離れる行為には、海外旅行をはじめ国内旅行や引っ越し、出張なども含まれます。

以前は移動に関する制限に違反した場合に刑事罰が課せられていましたが、現在では罰則の対象外となっています。

しかし裁判所の許可が必要にもかかわらず、無断で海外へ行った場合は以下の欠点があります。

  • 免責不許可事由に該当する可能性がある
  • 身体を拘束される恐れがある

違反すると、免責不許可事由に該当する可能性があります。

免責不許可事由とは、自己破産において借金の免除が認められない事情のことです。

免責不許可事由に該当すると、自己破産の目的である免責が受けられなくなる可能性があります。

他にも破産者の逃亡や財産隠しが疑われ、裁判所が必要と判断した場合は身体を拘束される恐れがあります。

身体の拘束は破産法第38条に定められた引致と呼ばれる手続きで、引致状により破産者を裁判所へ連れて行く措置です。

参照元:破産法 第38条 – e-Gov法令検索

引致が行われるのはまれな事例ですが、裁判所の許可なしで渡航するのは避けましょう。

自己破産が管財事件ではなく同時廃止事件で扱われる場合は、実務上、渡航の制限を受けません。

同時廃止事件は実務上、渡航の制限を受けない

自己破産の手続きが同時廃止事件で扱われる場合は実務上、渡航の制限を受けないため、海外旅行が可能です。

同時廃止事件は破産手続開始決定と同時に手続きが終了するため、移動制限が発生する期間がほぼないからです。

自己破産の手続き方法は、大きく分けて同時廃止事件と管財事件の2種類があります。

自己破産の種類
種類内容
同時廃止事件開始決定と同時に手続きが廃止される手続き方法のことです。
財産についての調査が行われないため、破産管財人が選任されません。
管財事件破産管財人が選任され、財産の調査や処分が行われます。

※破産管財人とは破産者の財産を管理し、処分する役割を果たす人のことです。

令和7年司法統計年報第108表によると、2025年に終わった個人の破産81,016件の内訳は、同時廃止が50,327件(62.1%)、破産管財人が選任された管財事件が29,233件(36.1%)でした。

渡航の許可申請が必要になるのは、後者の管財事件で手続きが続いている期間だけです。

東京地裁の運用基準では、以下のいずれかにあてはまる場合は管財事件として扱われる可能性があります。

  • 20万円以上価値のある財産または33万円以上の現金を保有している
  • 免責不許可事由にあてはまる
  • 破産者が個人事業主または法人の代表者である

管財事件の振り分け基準は裁判所により異なるため、上記の金額はあくまで目安です。

一定額以上の財産を保有している場合は債権者に配当されるため、管財事件になる可能性があります。

財産の具体例には、以下のような物が挙げられます。

免責不許可事由は破産法第252条1項に明記されており、以下のような事例があります。

免責不許可事由の例
  • 財産を隠したり不当に財産価値を下げたりする行為を行っている
  • 裁判所に対して虚偽の報告をしている
  • 浪費やギャンブルが原因の借金である
  • 特定の債権者に偏った返済を行っている
  • 前回の免責許可決定の確定から7年以内に再度免責を申し立てた場合

参照元:破産法 第252条1項 – e-Gov法令検索

免責不許可事由にあてはまる、または疑われる場合は管財事件として調査が行われます。

破産者が個人事業主または法人の代表者である場合は財産に関する調査が必要となるため、管財事件で扱われやすい傾向にあります。

ただし、管財事件でも裁判所から許可が得られる場合は渡航が可能です。

裁判所の許可により管財事件でも渡航できる

自己破産が管財事件で扱われても裁判所から許可を得た場合は、居住地から離れられるため渡航が可能です。

居住地から離れるという行為には海外旅行だけでなく、出張や引っ越しなども含まれます。

海外出張や家族の冠婚葬祭など、正当な理由がある場合は裁判所から許可を得られる可能性が高まります。

破産者の移動が制限されている理由は、主に以下の2つです。

破産者の移動が制限されている理由
  • 破産者とすぐに連絡が取れるようにするため
  • 破産者が逃亡したり、財産を隠したりするのを防ぐため

管財事件は破産管財人との面談や債権者集会が行われるため、破産者への連絡が必要です。

破産者が居住地から離れて連絡が取れないと、手続きが遅れる原因となります。

移動の制限は、破産者の逃亡や手続きを妨害する行為を防ぐ効果もあります。

管財事件中は破産法第81条により、破産者宛の郵便物が破産管財人に転送されます。

参照元:破産法 第81条 – e-Gov法令検索

長期の海外渡航中に重要な書類が届くと、確認や対応が遅れて手続きが滞るリスクがあります。

以下は、裁判所から移動の許可を得るのが難しい事例です。

裁判所から移動の許可を得るのが難しい事例
  • 海外旅行の費用が高額である
  • 海外旅行の期間が長期に及ぶ

高額な旅費は浪費にあたると判断され、免責の判断に影響を及ぼす場合があります。

明確な基準はありませんが、数週間の渡航は手続きに影響するため、許可を得るのが難しいでしょう。

管財事件にかかる費用や弁護士への支払いの目安は、債務整理の弁護士費用はいくら?手続き別の相場と内訳をわかりやすく解説で詳しく解説しています。

上記の制限は自己破産の手続き中のみ受けるため、管財事件であっても手続き後は自由に移動できます。

許可申請の流れと、許可が出やすくなるポイント

管財事件の手続き中に海外へ行く場合は、申立代理人の弁護士を通じて裁判所に許可を申し立てます。

申立書には、渡航先・期間・目的・滞在先と連絡先・同行者・費用の出所を記載します。

破産管財人に事前に説明して意見や同意をもらい、申立書に添えて提出するのが一般的な進め方で、問題がなければ数日以内に許可が出ます。

裁判所によっては、破産管財人の同意があれば簡略な手続きで足りる運用もあります。

許可の判断で確認されるのは、主に以下の3点です。

  • 費用の出所が破産財団に属する財産ではないこと(家族が負担する、免責後に取得した収入から出すなど)
  • 渡航期間が債権者集会・破産管財人との面談・免責審尋の期日と重ならないこと
  • 渡航中も連絡が取れること(メールや通話アプリの連絡先を破産管財人に伝えておく)

郵便物は破産法第81条により破産管財人へ転送されるため、渡航中に自宅へ届く書類の対応で手続きが滞ることはありません。

ただし、破産管財人から追加資料の提出を求められた場合に応答が遅れると調査が長引くため、連絡手段の確保が許可の前提になります。

業務上の出張や親族の冠婚葬祭のように理由が明確で期間が短い渡航は、許可が得られやすい類型です。

高額な費用をかけた長期の観光旅行は、浪費と評価されて免責の判断に影響する恐れがあるため、免責許可決定の後に計画するのが確実です。

申立書の名称・様式・添付書類は裁判所ごとに異なるため、詳細は申立代理人の弁護士へ確認しましょう。

参照条文:破産法第37条1項 – e-Gov法令検索

自己破産の手続き後は自由に移動できる

自己破産の手続き後は居住地を離れて自由に移動できるため、海外旅行に行けます。

破産者が移動の制限を受けるのは、破産手続開始決定から破産手続が終了する(異時廃止または終結の決定が出る)までの期間です。管財事件では免責許可決定と同じ時期に終わるのが一般的です。

同時廃止事件で扱う場合は、手続きに3〜6ヶ月程度かかります。

管財事件で扱う場合は、少額管財で3〜6ヶ月、通常管財で6ヶ月〜1年程度の期間が目安です。

自己破産の申立て前は手続き後と同様に渡航の制限を受けないため、海外旅行が可能です。

ただし、申立て前に海外旅行へ行く場合は手続きを依頼した弁護士に報告しましょう。

申立て前は家計や資産の管理が必要となり、依頼者は資料の提出を求められます。

連絡が取れない期間がある場合、あらかじめ弁護士に連絡しておくと計画的に自己破産の準備を進められます。

上記の条件を満たしている場合は、自己破産をした人も海外旅行が可能です。

ただし自己破産の手続きにより記録が残り、生活や旅行に影響を与える場合があります。

自己破産の記録が残る物は3つある

自己破産をした事実が記録される物は、以下の3つです。

  • 官報
  • 破産者名簿
  • 信用情報

自己破産すると周囲にバレてしまうと思う人もいるかもしれませんが、破産者であると記録されるのは上記の3つのみです。

運転免許証や健康保険証などの本人確認書類にも記録されないため、今までどおり使用できます。

3つの中で官報は唯一公表され、氏名や住所が掲載されます。

官報に氏名や住所が掲載される

官報には自己破産の事実にあわせて、破産者の氏名と住所が掲載されます。

官報とは、国が発行する唯一の機関紙であり、法令や権利義務に関する広告を掲載しています。公式サイトでは直近90日分の官報情報が無料で公開されているため、誰でも閲覧が可能です。ただし90日を過ぎると、破産や個人再生に関する公告は一般の無料閲覧では見られなくなります。

参照元:官報発行サイト – 内閣府

他に官報を見る方法は、図書館の利用や販売所からの購入があります。

しかし一般の人が官報を見る機会は少なく、日常的に見るのは金融機関や不動産会社など一部の業種に勤めている人に限られます。

旅行会社の人に官報を見られる可能性は低いため、海外旅行にも特に影響はありません。

参考

官報に掲載される時期は、手続き開始決定と免責許可決定が出された時です。管財事件の場合は、官報に3回掲載される場合があります。

破産者の氏名を検索するシステムなどはないため、膨大な情報量の中から個人を特定するのは難しい状況です。

官報に掲載される期間や生活への影響については、自己破産が官報に掲載される期間はいつまで?削除の有無や生活への影響を徹底解説で詳しく解説しています。

各市町村の役所では、破産者名簿が作成されています。

破産者名簿に掲載されるのはごく一部の破産者のみである

破産者名簿に掲載されるのは、自己破産した人のうち一部の破産者に限られます。

破産者名簿とは、本籍地のある市町村で管理されている破産者に関する名簿のことです。名簿には自己破産の手続き開始決定が出たものの、免責を受けられなかった人のみが掲載されます。

以下は、日本弁護士連合会が2023年に実施した破産事件及び個人再生事件記録調査(有効データ1,233件)に基づく免責の結果です。

免責の結果
免責の結果全体に対する割合
許可96.84%
不許可0.08%(1件)
申立却下・棄却0.16%
取下げ1.22%
死亡終了0.41%
不明(記入漏れを含む)1.30%

参照元:2023年破産事件及び個人再生事件記録調査 – 日本弁護士連合会

上記の調査結果から、免責が不許可・却下となったのは全体の0.24%にとどまるとわかります。

2005年施行の改正破産法によって、ほとんどの破産者が名簿に掲載されなくなりました。

破産者名簿は身分証明書を作成するための名簿であり、一般には公開されない資料です。

戸籍謄本や住民票には自己破産の事実は記載されないため、海外旅行の申し込みやパスポートの申請には差し支えありません。

上記の2つ以外には、信用情報に自己破産が事故情報として登録されます。

自己破産すると信用情報に事故情報が登録される

自己破産すると個人の信用情報に5年間〜7年間、事故情報が登録されます。

信用情報とは、クレジットカードやローンなどの客観的な取引事実を表す個人の情報のことです。個人の信用情報は信用情報機関によって登録され、新たなクレジットカードやローンを申し込む際の審査で利用されます。

信用情報機関によって事故情報が登録される期間が異なり、詳細は以下のとおりです。

信用情報機関別の登録期間
信用情報機関登録される期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC)5年
株式会社日本信用情報機構(JICC)5年
全国銀行個人信用情報センター7年

参照元:CICが保有する信用情報 – CIC、信用情報の内容と登録期間 – JICC、センターの概要 – 全国銀行個人信用情報センター

登録された事故情報は、期間が過ぎると抹消されます。

日常的に信用情報を照会する可能性があるのは銀行やカード会社、消費者金融などです。

参考

個人が信用情報機関に照会する場合は、本人の信用情報のみ照会できるようになっています。個人情報保護の観点から家族であっても信用情報を照会できないため、他人に照会されて自己破産がバレる心配はありません。

参照元:よくあるご質問 – CIC

しかし、信用情報に事故情報が登録されるとクレジットカードが利用できなくなります。

クレジットカードは現金以外の主な決済手段であるため、利用できないと海外旅行へ行く際に不便です。

自己破産の手続きにより、クレジットカードなど海外旅行に必要な物に影響を及ぼします。

信用情報への登録による具体的な生活への影響は、債務整理の実行はブラックリスト掲載の原因!生活への影響を解説!で詳しく解説しています。

自己破産が海外旅行で必要な物に及ぼす影響を解説

海外旅行に必要なものと自己破産の影響

ここでは、自己破産が海外旅行で必要となる以下の物に及ぼす影響を解説します。

  • パスポート
  • 現金
  • クレジットカード
  • 海外旅行保険
  • スマートフォン

海外旅行に必要な物はいくつかありますが、パスポートは必要不可欠な書類です。

パスポートは世界で通用する身分証明書であり、外国の政府に対して渡航者の保護を要請する内容も含まれています。

世界のほとんどの国で外国人の入国や滞在を許可する条件として、パスポートの呈示と携帯が求められます。

日本を出国する際や帰国して入国する際も、パスポートの呈示が必要です。

参照元:パスポート – 外務省

パスポートは没収されないため、自己破産した人も使用できます。

自己破産をしてもパスポートは使用できる

パスポートは自己破産の手続きに制限を受けないため、今までどおり使用できます。

有効期間が切れていない場合は、自己破産の手続き中も切替申請が可能です。

切替申請には戸籍謄本が必要となる場合がありますが、自己破産の事実は戸籍に記載されません。

戸籍は国民の身分関係を登録して証明するための公簿であり、以下のような内容が記載されています。

  • 本籍地
  • 筆頭者の氏名
  • 戸籍に記載されている全員の氏名や生年月日
  • 父母の氏名と続柄
  • 身分事項など

参照元:戸籍 – 法務省

そのため、自己破産をした人もパスポートの切替申請を通常どおりの手順で行えます。

自己破産している人が新たにパスポートを取得したい場合は、新規発行が可能です。

旅券法第13条1項では、パスポート発給が制限される人について以下のように定めています。

パスポート発給が制限される人
  • 渡航先の法律により入国を認められていない人
  • 死刑、無期若しくは長期2年以上の刑にあたる罪で裁判にかけられている、または身柄を拘束される予定がある人
  • 仮釈放や執行猶予の期間中である人
  • 旅券法第23条違反による前科がある人
  • パスポートや渡航書などの公文書偽造罪の前科がある人
  • 国援法の適用により帰国した経験がある人
  • 外務大臣が日本の利益や公安を害する恐れがあると認める理由がある人

参照元:旅券法 – e-Gov法令検索

上記にあてはまる人が必ずしもパスポートを発行できないとは限りませんが、前科があるとパスポートを取得できない場合があります。

自己破産は債務整理の1つであり、犯罪ではないためパスポートも問題なく申請が可能です。

海外旅行には現金も必要ですが、自己破産では手元に残る現金が限られています。

海外旅行に持参できるのは最小限の現金である

自己破産をした人が海外旅行に行く場合、持参できるのは最小限の現金となります。

一定額以上の現金や預貯金がある場合は管財事件として扱われる可能性があり、債権者に配当されるためです。33万円以上の現金や20万円以上の預貯金は、東京地裁の運用基準において管財事件が適用される1つの目安となります。

国や地域によってキャッシュレス決済に対応していない場合があるため、海外旅行にはある程度の現金が必要です。

現金を使う場面と内容
場面内容
現地通貨への両替主に空港または現地の両替所で行いますが、両替手数料がかかります。主要な国の通貨であれば、空港で両替が可能です。
交通費空港までの往復と現地で移動する際の交通費として、現金が必要になる場合があります。
屋台や路面店での支払いキャッシュレス決済に対応していない場合が多いため、支払いの際に現地通貨が必要です。
店員へのチップホテル、飲食店、タクシーで必要な場合があります。あらかじめサービス料としてチップが料金に含まれている場合は不要です。国によっても異なりますが、アメリカやカナダ、イギリスなどで従業員に対してチップを渡す慣習があります。

自己破産により所持している現金の額が限られているため、キャッシュレスに対応していない地域への長期滞在は難しいでしょう。

現金以外の決済手段であるクレジットカードは、自己破産により使用できなくなります。

クレジットカードは使用できなくなる

自己破産するとクレジットカードは強制解約されるため、使用できません。

海外旅行において、クレジットカードは支払い以外にもさまざまな役割を果たします。

支払い以外の役割
  • 海外旅行で現金が不足した場合の大事な決済手段
  • 多額の現金を持ち歩く必要がないため、海外旅行でスリに遭った場合の被害を最小限にできる
  • 旅行中にスリに遭った場合カード会社に連絡すると、クレジットカードの利用を止めて不正利用を防げる
  • 保障制度が付いており、万が一不正利用された場合も損害の補償が可能
  • 海外でホテルに宿泊する際は多くの場合、チェックイン時にクレジットカードの提示を求められる
  • 海外キャッシング機能が付いたクレジットカードであれば、渡航先のATMや金融機関で現地通貨に両替ができる

クレジットカードを利用できないとこれらの恩恵が受けられないため、不便に感じるでしょう。

クレジットカードが使用できなくなると、カードに付帯している海外旅行保険も利用できなくなります。

クレジットカードに付帯する海外旅行保険は利用できない

自己破産するとクレジットカードが使えなくなるため、カードに付帯している海外旅行保険も利用できなくなります。

クレジットカードに付帯する海外保険は保険料を別で支払う必要がなく、保証の回数に上限がないのも利点です。

相談窓口は日本語に対応している場合が多いため、旅行先の急なトラブルにも慌てずに済みます。

クレジットカード付帯の海外旅行保険には、自動付帯と利用付帯の2種類があります。

クレジットカード付帯の海外旅行保険
種類内容
自動付帯カードを保有しているだけで自動的に保険が適用される方式です。
利用付帯旅行代金や交通費などをカードで支払った場合に保険が適用される方式です。

利用付帯の場合は旅行代金をそのカードで決済する必要があり、自己破産でカードが使えなくなると保険適用の対象外となります。

自己破産をして旅行先で補償を受けるには、自分で海外旅行保険に加入する必要があります。

以下は、海外旅行保険の主な補償内容です。

  • 死亡や高度傷害に対する補償
  • 病気やけがの治療費用
  • 賠償責任
  • 携行品の損害補償
  • 救援者費用
  • 航空機の遅延などに対する補償

海外の治療費や賠償責任により請求される金額は高額な場合があるため、渡航する際は海外旅行保険への加入がおすすめです。

海外旅行保険は保険料を前払いする短期の損害保険で、加入時に信用情報の照会や与信審査は行われません。

自己破産の手続き中や免責後であっても、通常どおり申し込めます。

保険料の支払いは損害保険各社のネット申込でデビットカードやコンビニ払いに対応しており、出発当日に空港のカウンターで加入することもできます。

クレジットカードが使えない状態で渡航する場合は、旅行代金の支払いとは切り離して、渡航前に保険だけを単独で契約しておくと安心です。

連絡手段として必要不可欠なスマートフォンは、料金の未払いや滞納がない場合は継続して使用できます。

料金の滞納や未払いがないスマートフォンは継続して使用できる

通話料や通信料など料金の滞納がなく、端末代金などの分割払いが支払い終わっている場合は自身のスマートフォンを継続して使用できます。

自己破産の手続き中はすぐに連絡が取れるようにする必要があり、旅行に限らず生活する上でもスマートフォンは必要不可欠です。

スマートフォンを海外で使用する方法には、SIMカードの差し替えやWi-Fiルーターのレンタルなどがあります。

スマートフォンの機種によって設定方法が異なるため、渡航する前に確認が必要です。

料金の滞納や未払いの端末代金がある場合は、自己破産によりスマートフォンを強制解約されてしまう恐れがあります。

参考

免責が認められると滞納金や未払いの端末代金の支払いが免除されます。そのため携帯電話会社は料金を回収できなくなり、利用約款に従い契約が強制的に解除されます。

スマートフォンを使い続けるために残額を一括で支払うと債権者平等の原則に違反していると判断され、免責を受けられない可能性があります。

債権者平等の原則とは、債権者が複数いる場合に債権額に応じて公平に扱わなければならないとする原則です。一部の債権のみの支払いは、特定の債権者のみ有利に扱っているとみなされてしまいます。

スマートフォンの強制解約を避ける方法は、以下の2つです。

  • 裁判所の了承を得て支払う
  • 第三者に支払ってもらう

裁判所の了承を得た場合は債権者平等の原則に違反しないため、代金の支払いにより強制解約を避けられます。

親族や友人など第三者に料金を支払ってもらい、滞納や未払いが解消されると継続して使用が可能です。

ただし借入は禁止されているため、第三者に無償で支払ってもらう必要があります。

自己破産により海外旅行に必要な物に対して、さまざまな影響を及ぼします。

特にクレジットカードが利用できない影響は大きく、海外旅行の際は代わりとなる決済手段の準備が必要です。

続いて、自己破産した人がクレジットカードの代わりとして使えるカードを解説します。

クレジットカードの代わりとして使えるカード3選を解説

自己破産後に海外で使える決済手段

クレジットカードの代わりに使用できるカードは、主に以下の3つです。

  • デビットカード
  • プリペイドカード
  • 家族カード

海外旅行で現金以外の決済手段がないと、現地通貨が足りなくなってしまった場合に支払う方法がなくなってしまいます。

自己破産した人は手元にある現金が限られており、余裕をもった所持金が準備できない可能性があります。

海外で多額の現金を持ち歩くとスリや窃盗に遭う危険もあるため、現金以外の決済手段が必要です。

今回解説する3つのカードは審査が不要で、自己破産した人も発行できます。

国際ブランドが付いたカードであれば、海外の加盟店で支払いが可能です。

デビットカードは審査なしで作れるため、クレジットカードの代わりとして使えます。

デビットカードは審査なしで作れる

デビットカードは審査がないため、自己破産後も新規で作成できます。

デビットカードとは、支払いと同時に銀行口座から請求額が引き落とされる仕組みのカードです。

発行する会社によって多少異なりますが、中学生を除く満15歳以上であれば申し込めます。

デビットカードは、銀行口座と紐付けて使用します。

自己破産をしても銀行口座は解約されないため、以前から持っている口座を利用できます。

利用限度額は銀行口座の残高までとなっており、支払い回数は一括払いのみとなります。

デビットカードの種類は、大きく分けてJ-Debitと国際ブランド付きデビットカードの2つです。

デビットカードの種類
種類内容
J-Debit国内の加盟店のみで使えるデビットカードで、海外では使用できません。
国際ブランド付きデビットカード世界中の加盟店で使用できるため、海外旅行に役立ちます。

※国際ブランドとは、世界中で利用できるクレジットカードのブランドのことです。

以下の5つは、主要な国際ブランドとして知られています。

  1. Visa
  2. Mastercard®
  3. JCB
  4. American Express
  5. Diners Club

特にVisaとMastercard®は海外で使える店舗数が多いため、迷う場合はどちらかを選ぶと良いでしょう。

デビットカードを使うと、海外のATMから口座残高の範囲内で現地通貨を引き出せます。

両替する手間が省けるため、急に現金が必要になった時に便利です。

デビットカードは、口座を開設している銀行に以下の方法で申し込みます。

申込先にもよりますが、通常1週間〜2週間程度で自宅にカードが発送されます。

デビットカードと同様、プリペイドカードは自己破産をした人も新規で発行できます。

プリペイドカードは自己破産をした人も新規で発行できる

プリペイドカードは審査が行われないため、自己破産をした人も新規で発行できます。

プリペイドカードとは、事前に入金した金額の範囲内で支払いができる前払い方式のカードです。

プリペイドカードは入金方式の違いにより、大きく2種類に分けられます。

プリペイドカードの種類と特徴
種類特徴具体例
使い切り型あらかじめ決まった金額で購入し、残高を使い切ったら処分する方式QUOカード(300円〜10,000円)
チャージ型好きな金額を入金して繰り返し使える方式国際ブランド付きプリペイドカードなど

参照元:QUOカード

海外旅行で利用するなら、国際ブランド付きのチャージ型プリペイドカードが便利です。

国際ブランド付きのプリペイドカードであれば、海外の加盟店で支払いができます。

カードによっては海外のATMで現地通貨を引き出せる機能が付いている物もあり、両替の手間を省けます。

プリペイドカードの申し込みから利用開始までの流れ

プリペイドカードの申し込み方法と入手までにかかる期間は、購入する場所によって異なります。

プリペイドカードの購入場所や特徴
購入場所入手までの期間特徴
発行会社のホームページ1週間程度カードの種類が豊富で選びやすい
コンビニエンスストア即日レジで入金してすぐに使用できる

プリペイドカードの主な入金方法は、以下のとおりです。

プリペイドカードを利用する際の注意点

プリペイドカードは事前入金型のため、利用時には残高管理が必要です。

  • 分割払いや口座引き落としには対応していない
  • 残高が支払い額よりも少ない場合は利用できない
  • 現金やその他の決済方法とは併用できない

残高が不足している場合は、事前に入金してから支払いを行いましょう。

参考

自己破産の申立て前から使用していたプリペイドカードは、継続して使用が可能です。ただし残高が20万円以上ある場合は財産とみなされ、処分されてしまう場合があるため注意しましょう。

家族が発行しているクレジットカードの家族カードであれば、自己破産した人も使用が可能です。

自己破産者以外が本会員の家族カードは使用できる

家族が本会員のクレジットカードに紐づく家族カードであれば、自己破産した人も使用できます。

自己破産による事故情報の記録は本人のみが対象であり、家族の信用情報には影響しないためです。

家族カードとは、クレジットカードの所有者である本会員の家族に追加で発行できるカードのことです。

家族カードの基本情報

家族カードの主な仕組みと特徴を、以下のテーブルにまとめました。

家族カードの主な仕組みと特徴
項目内容
申込対象者本会員と生計を共にする配偶者、高校生を除く満18歳以上の子供、両親など
審査の対象原則として本会員のみ
利用限度額本会員と合算した利用限度額の範囲内
請求と引き落とし本会員と家族会員の利用額をまとめて本会員の口座から引き落とし
付帯サービスカードの種類によっては本会員と同じサービスや付帯保険を利用できる

家族カードの審査は本会員のみが対象となるため、破産者本人が家族会員として家族カードを保有する分には問題ありません。

利用限度額の仕組みと注意点

家族カードで利用できる金額は、本会員のクレジットカードの限度額と合算で計算されます。

具体例を以下のテーブルにまとめます。

家族カードで利用できる金額例
項目金額
本カードの利用限度額50万円
本会員の利用済み金額40万円
家族会員が利用できる残額10万円

本会員と家族会員のどちらかが利用し過ぎると限度額を圧迫してしまうため、利用状況の把握が大切です。

家族カードの申し込み方法

たとえ家族でも家族カードは共有で使えないため、まだ持っていない場合は新しく発行する必要があります。

家族カードの申し込み方法は、主に以下の3つです。

家族カードは、クレジットカード会社の公式サイトやアプリから会員専用サービスを使って申し込めます。

発行にかかる期間はカード会社により異なりますが、10日〜3週間程度が目安です。

今回解説した3種類のカードであれば自己破産した人も新規発行ができるため、海外旅行の決済手段として検討しましょう。

自己破産後の海外旅行で気を付けたい税務上のポイント

海外旅行に関する税務上の2つの注意点

自己破産後に海外旅行へ行く場合は、税務上の注意点として以下の2つを押さえておきましょう。

  • 海外送金が100万円を超えると税務署に通知される
  • 現金の持ち出しが100万円相当額を超えると税関への申告が必要

自己破産の手続き中は財産の動きが詳細に調査されるため、海外旅行に伴う送金や現金の持ち出しは慎重な対応が求められます。

申立て前後における財産の不自然な動きは、財産隠しと疑われて免責に影響する恐れがあります。

続いて、税務上の注意点を順番に解説します。

海外送金が100万円を超えると税務署に通知される

1回の海外送金が100万円を超える場合、金融機関は国外送金等調書を税務署に提出する義務があります。

国外送金等調書とは、1回の送金額が100万円を超える国外送金と国外からの送金受領について、金融機関が翌月末日までに税務署へ提出する書類のことです。

国外送金等調書の提出は、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律により定められています。

参照元:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 – e-Gov法令検索

似た名称の国外財産調書は、12月31日時点で合計5,000万円を超える国外財産を持つ居住者が翌年6月30日までに自分で提出する書類です。

海外旅行の送金とは別の制度であり、旅行のための送金で提出義務が生じることはありません。

海外旅行に関連する送金で、調書の対象となる場面は以下のとおりです。

  • 海外のホテル代やツアー代金を直接送金する
  • 渡航先の自分の口座へ事前に資金を移す
  • 留学や長期滞在のために生活費を送る

調書には送金者・受取人の氏名や住所、送金額、送金目的などが記載されます。

提出された情報は税務署で管理され、財産の動きを把握する資料として利用されます。

海外送金が問題視される時期は手続きの段階によって異なる

海外送金が財産隠しを疑われるかどうかは、自己破産の手続きの段階によって扱いが変わります。

時期ごとの取り扱いを以下のテーブルにまとめました。

自己破産の手続きの段階と海外送金の扱い
時期海外送金の扱い
申立て前1〜2年程度調査の対象。不自然な動きは財産隠しを疑われる
申立て後〜手続き中破産管財人の管理下。無断送金は重大な違反となる
免責許可決定の確定後原則として制限なし。新たに得た財産は自由に管理できる

裁判所や破産管財人は、申立て前1〜2年程度の通帳や取引履歴を精査します。

不自然な海外送金が見つかると、免責不許可事由に該当すると判断される恐れがあります。

免責許可決定の確定後は新たに得た財産を自由に管理できるため、海外送金も基本的に制限を受けません。

ただし確定前の財産隠しが後から発覚した場合は、破産法第254条による免責取消や詐欺破産罪の対象となる恐れがあるため注意しましょう。

参照元:破産法 第254条 – e-Gov法令検索

海外旅行のための送金が必要な場合は、申立て前に弁護士へ相談しておくと安心です。

現金の持ち出しが100万円相当額を超えると税関への申告が必要

海外旅行で支払手段の合計額が100万円相当額を超える場合、税関に対して携帯輸出・輸入申告書の提出が必要です。

申告対象となる支払手段は、以下のとおりです。

  • 現金(日本円・外国通貨)
  • 小切手やトラベラーズチェック
  • 約束手形
  • 有価証券(額面合計が100万円を超える物)

申告制度は外国為替及び外国貿易法と同法施行令により定められています。

参照元:支払手段等の携帯輸出・輸入申告 – 税関

無申告で持ち出した場合は、外国為替及び外国貿易法違反として罰則の対象となります。

自己破産では、東京地裁の運用基準として33万円以上の現金保有が管財事件適用の目安となっています。

そのため海外旅行で100万円相当額に近い現金を持ち出すと、財産の存在を隠していたと判断される可能性があります。

申立て前後の現金の動きは特に注意し、必要に応じて弁護士へ報告しておくのが賢明です。

税務上の手続きを正しく行うことで、自己破産後の海外旅行も安心して計画できます。

自己破産と海外旅行に関するよくある質問

自己破産と海外旅行について、相談者から多く寄せられる質問をまとめました。

渡航前の不安解消や手続きの参考としてご活用ください。

Q自己破産中でもパスポートは作れる?
A

自己破産中でもパスポートの新規発行や切替申請が可能です。自己破産は債務整理の手続きであり犯罪ではないため、旅券法第13条1項のパスポート発給制限の対象になりません。戸籍にも自己破産の事実は記載されないため、通常どおりの手順で申請を進められます。

Q海外旅行で裁判所の許可は必ず必要?
A

管財事件で扱われる場合は、破産法第37条により裁判所の許可が必要です。同時廃止事件で扱われる場合は実務上、移動の制限を受けません。自己破産の申立て前と手続き完了後は、いずれも自由に渡航ができます。手続きの種類と時期によって対応が異なるため、弁護士への確認が確実です。

Q申立て前の海外旅行は問題ない?
A

申立て前の海外旅行は移動の制限を受けないため可能ですが、依頼している弁護士への報告が大切です。申立て前は資料の準備や財産調査が進められており、連絡が取れない期間があると手続きに支障が出る場合があります。高額な旅費は浪費とみなされ、免責の判断に影響を与える恐れがあるため慎重に検討しましょう。

Q自己破産が入国審査でバレることはある?
A

渡航先の入国審査で自己破産について聞かれることはありません。自己破産の記録は官報・破産者名簿・信用情報の3つに残りますが、いずれも海外の入国審査機関に共有される仕組みはありません。本人確認書類にも記載されないため、入国審査で破産の事実が露見する心配は不要です。

Q海外で発行したクレジットカードは使える?
A

海外で発行されたクレジットカードでも、自己破産の手続きでは原則として全債権者を対象に扱います。海外発行のカード会社にも受任通知が送付され、強制解約の対象となるのが一般的です。海外口座と紐づいているカードを所有している場合は、申立て時に弁護士へ正確に申告しておく必要があります。

Q海外旅行積立は財産に含まれる?
A

海外旅行積立は解約返戻金として現金化できる財産に該当するため、自己破産の処分対象となる可能性があります。東京地裁の運用基準では20万円以上の財産が管財事件適用の目安となっており、積立額がこれを超えると換価処分の対象となります。申立て前の解約は財産隠しと疑われる原因となるため、自己判断は避けましょう。

Q自己破産後の海外移住は可能?
A

自己破産の手続き完了後は移動の制限を受けないため、海外移住も可能です。ただし手続き中の長期渡航は破産法第81条による郵便物の管財人転送に支障をきたします。海外移住を検討中の人は免責許可決定の確定を待ってから渡航し、住民票の海外転出届などの行政手続きも忘れずに進めましょう。

Q裁判所の渡航許可はどのくらいで出ますか?
A

破産管財人の同意を添えて申し立てれば、通常は数日以内に許可が出ます。渡航先・期間・目的・連絡先・費用の出所を記載した申立書を、申立代理人の弁護士を通じて提出します。期日と重なる渡航や費用の出所が不明な渡航は許可が出にくいため、予定が決まった時点で早めに弁護士へ相談してください。

Q渡航費用は誰が出せばよいですか?
A

破産手続開始決定の時点で持っていた財産(破産財団)から旅費を出すことはできません。家族や親族が負担する場合や、開始決定後に得た給与などの新得財産から出す場合は問題になりません。費用の出所は許可申請の際に確認されるため、領収書や送金記録を残しておくと説明が容易です。

自己破産の手続きをする人が海外旅行へ行く際は専門家に相談しよう

自己破産の手続きをする人も海外旅行は可能ですが、渡航のタイミングや手続きの種類によって対応が異なります。

渡航の可否を時期と手続きの種類別にまとめると、以下のとおりです。

手続きの時期と渡航の注意点
時期渡航の可否と注意点
申立て前移動の制限を受けないため自由に渡航ができますが、依頼している弁護士への報告が必要です。
手続き中(同時廃止)実務上、移動の制限を受けないため海外旅行に行けます。
手続き中(管財)破産法第37条により、裁判所の許可を得た場合のみ渡航が可能です。
手続き完了後移動の制限を受けないため、自由に海外旅行や移住が可能です。

無断で海外渡航すると免責不許可事由に該当し、引致の対象となる場合もあるため避けましょう。

自己破産は海外旅行で必要な物に対して、以下の影響を及ぼします。

海外旅行に必要なものと自己破産の影響
必要な物自己破産による影響と対処法
パスポート影響なし。新規発行や切替申請が可能です。
現金持参できるのは最小限の額に限られます。
クレジットカード強制解約され使えなくなるため、デビットカードや家族カードで代用しましょう。
海外旅行保険カード付帯の保険は使えなくなるため、自分で加入する必要があります。
スマートフォン料金の滞納や未払いがなければ継続して使用できます。

自己破産の手続き中に海外旅行を予定している場合は、早めに専門家へ相談しましょう。

状況に応じて相談すべき専門家は、以下のとおりです。

  • 渡航の可否や裁判所の許可申請については弁護士へ相談する
  • 海外送金や現金の持ち出しなど税務面については税理士へ相談する
  • 事業主や法人代表者は弁護士と税理士の両方への相談を検討する

具体的にどの事務所に相談すべきか迷う場合は、債務整理おすすめ|費用が安い弁護士・司法書士事務所を比較【2026年】を参考にしてください。

自己破産の申立て前や手続き中の海外旅行は、免責の結果に影響を与える場合があります。

渡航の予定がある場合は計画的に準備を進め、安心して海外旅行を楽しめる環境を整えましょう。

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この記事の監修者

三宅正一郎

三宅正一郎

税理士|三宅正一郎税理士事務所 代表

名古屋市北区で税理士事務所を運営。法人税・所得税・相続税の申告業務を中心に、会社設立支援、創業融資サポート、税務コンサルティングなど幅広い業務に対応。個人事業主から中小企業まで、経営に寄り添った税務サポートを実践している。

監修者より

債務整理には免除益課税や事業再建時の税務処理など、税理士の知見が不可欠な場面があります。弁護士・司法書士による手続きだけでなく、その後の確定申告や税金への影響まで正しい情報を届けるため、税務の専門家として監修しています。

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