住宅ローン控除の入居期限の要件緩和について税理士が解説!【新型コロナ】
2020.12.9
新型コロナウイルス感染症の影響のため、住宅ローン控除の入居期限の要件が満たせなかった場合の対応が弾力化されています。
弾力化の対象になっているのは、新型コロナウイルス感染症の影響によって
・中古住宅の入居前に行った増改築等工事が遅れるなどして要件を満たせなかった場合
・控除期間13年の特例の対象となる者が入居の遅れで要件を満たせなかった場合
です。
住宅ローン控除の入居期限の要件とは
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅の取得等のためにローンを組んだ場合、毎年のローン残高の1%の税額控除を10年にわたって受けられる措置です。
住宅ローン控除を適用できる「住宅の取得等」には、住宅を購入する「取得」と、工事を施す「増改築等」があり、それぞれ適用要件が異なりますが、共通する要件に入居期限に関するものがあります。
住宅ローン控除の入居期限の要件とは
住宅ローン控除を適用するには、住宅の取得等の日から6ヶ月以内に居住を開始することが必要です。
すでに完成している建売住宅を購入する場合であれば、この要件はそれほど問題になりません。
問題になるのは、注文住宅を建築する場合や、入居までに工事を必要とする中古住宅を購入する場合などです。
工事等に必要な期間をきちんと確認しておかなければ、10年分の控除を受けられなくなってしまう可能性があります。
新型コロナ税特法による弾力化とは
新型コロナウイルス感染症に影響のために入居期限の要件が満たせなかった場合、新型コロナ税特法によって、通常よりも対応が弾力化されます。
これによって6ヶ月以内に居住できなかったケースでも、他の要件を満たせば、住宅ローン控除を適用することが可能です。
弾力化の対象になっているのは、新型コロナウイルス感染症の影響によって
・中古住宅の入居前に行った増改築等工事が遅れるなどした場合
・控除期間13年の特例要件を入居の遅れで満たせなかった場合
になります。
中古住宅の入居前に行った増改築等工事が遅れるなどした場合
中古住宅の取得後、その住宅に入居することなく増改築等工事を行ったケースで、新型コロナウイルス感染症の影響により工事が遅れるなどして入居期限の要件を満たすことができなかった場合です。
この場合、その「増改築等の契約締結日」と「入居日」の両方について次の要件を満たすときは、住宅ローン控除の適用を受けることができます
増改築等の契約締結日の要件
次のいずれか遅い日までに増改築等の契約をしていること
・中古住宅の取得をした日から5ヶ月を経過する日
・新型コロナ税特法の施行の日(令和2年4月30日)から2ヶ月を経過する日(令和2年6月30日まで)
→新型コロナ税特法の施行日より前の契約でも対象になります。
入居日の要件
次のいずれも満たす日までに入居していること
・増改築等の終了後6ヶ月以内
・令和3年12月31日まで
控除期間13年の特例要件を入居の遅れで満たせなかった場合
住宅(建物)の取得代金や増改築費用に適用される消費税率がすべて10%で、かつ令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居している場合、通常の控除期間10年を13年にするという特例があります。
この期間内に限って、追加された3年で2%の増税負担分を税金から控除するというものです。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響によって入居が遅れ、令和2年12月31日までに入居できなかった場合、その「住宅の取得等に係る契約日」と「入居日」の両方について次の要件を満たすときは、13年の特例措置を受けることができます。
住宅の取得等に係る契約日の要件
次のいずれか遅い日までに住宅の取得等に係る契約をしていること
・新築については令和2年9月末まで
・中古住宅の取得、増改築等については令和2年11月末まで
入居日の要件
令和3年12月31日までに入居していること
確定申告で「入居時期に関する申告書兼証明書」を提出すること
住宅ローン控除を適用するには、控除を受ける最初の年分に必ず確定申告を行い、そこでさまざまな書類を提出して住宅ローン控除の適用要件を満たしていることを示す必要があります。(2年目以降は書類が簡略化され、確定申告のほか年末調整でも適用可)
上記の新型コロナ税特法の措置を受けるには、確定申告のときに通常の必要書類に加えて「入居時期に関する申告書兼証明書」を提出する必要があります。
様式と記載要領については、こちらを参考にしてください。
国税庁HP「6 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」問7
住宅ローン控除の入居期限の要件緩和について税理士が解説!【新型コロナ】記事まとめ
・新型コロナの影響で工事が遅れるなどしたケースでは、一定の要件下で入居期限の要件が弾力化される
・対象は、中古住宅の入居前に行った増改築等工事が遅れるなどした場合と、控除期間13年の特例要件を入居の遅れで満たせなかった場合
・確定申告時に「入居時期に関する申告書兼証明書」を提出する必要がある
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