賃貸住宅の新築やリフォームでもらえるグリーン住宅ポイントとは
2021.05.24
令和3年3月29日、グリーン住宅ポイントの申請がスタートしました。
住宅関係の公的支援ではめずらしく、賃貸住宅を新たに建築した場合や既存の賃貸住宅のリフォーム工事も対象になる制度です。
賃貸住宅のオーナー様は、チェックしておきましょう。
この記事では、グリーン住宅ポイントの対象になる賃貸住宅の建築やリフォーム工事について、ポイントの用途、申請方法等を解説します。
グリーン住宅ポイントとは
グリーン住宅ポイントとは、次のいずれかの工事や購入を行った場合、「グリーン住宅ポイント」が付与される制度です。
・新築住宅の建築・購入
・既存住宅の購入
・リフォーム工事
・賃貸住宅の建築
制度の趣旨は、グリーン社会の実現などに資する住宅投資の喚起を通じてコロナの影響により落ち込んだ経済の回復を図る、というものになります。
グリーン住宅ポイントの用途
グリーン住宅ポイントの用途は、次の2つから選べます。
・商品との交換(家具・家電、PC、タブレット他多数)
・追加工事との交換
ただし「賃貸住宅の建築」は、商品との交換には使えず、追加工事との交換のみとなります。
交換対象となる商品や工事のコンセプトは、「新たな日常」と「防災」です。
商品について
商品の交換の受付開始は、6月1日以降の予定となります。
交換できる商品はこちらから見ることができます。
商品は、11月末まで随時追加されるそうです。
グリーン住宅ポイント「交換商品を探す」
https://goods.greenpt.mlit.go.jp/apl/public/viewCategoryTop
追加工事について
追加工事とは、「新たな日常」と「防災」をコンセプトとする、住宅をグレードアップするための工事です。
どの業者に頼んでもよいわけではなく、賃貸の建築やリフォームの工事を行った施工者による追加工事が対象になります。
このことから、賃貸の建築やリフォームの工事契約と、追加工事の請負契約は同時進行になることが、一般的な流れになると考えられます。
【追加工事の対象となるもの】
・ワークスペースの設置
・音環境向上工事(防音など)
・空気環境向上工事(換気設備、空気浄化製品の設置)
・菌・ウイルス拡散防止工事
・家事負担軽減に資する工事
・停電・断水対策
・水害・台風対策
・地震対策(感電ブレーカー、家具固定器具の設置など)
グリーン住宅ポイントの対象となる賃貸・リフォーム
賃貸住宅の要件
主な要件は以下のとおりです。
・賃貸用の共同住宅の新築であること
・住宅専用であること
・全戸の床面積が40㎡以上であること
・全戸がトップランナー基準に適合すること
・工事契約の締結日が令和2年12月15日から令和3年10月31日までの間であること
まず、2戸以上の住戸がある「共同住宅」であることが必要です。
戸建住宅は対象になりません。
共同住宅の住戸は独立したもので、専用のキッチン、トイレ、洗面所、浴室を有しているものとされています。
それらが、建築物省エネ法に基づくトップランナー制度の賃貸基準を満たすものである必要があります。
また、住宅専用ですので、たとえば一階が店舗になっているような併用物件も対象外です。
最後にもっとも重要なことですが、賃貸住宅では「建築」しか対象になりません。
既存の賃貸物件の購入には使えないので、ご注意ください。
申請では、ご自身が工事請負契約の建築主や発注者であることが確認されます。
リフォーム工事の要件
主な要件は以下のとおりです。
・住宅に対する一定のリフォーム工事であること(賃貸住宅も可)
・対象となる工事のうち、発行ポイントが5万ポイント以上になること
・工事契約の締結日が令和2年12月15日から令和3年10月31日までの間であること
まず、住宅に対するリフォーム工事が対象です。
戸建住宅でもよいですし、賃貸住宅やシェアハウス、別荘も対象になります。
店舗併用など他の用途部分があれば、住宅部分のみ対象になります。
ただし、リフォーム前の用途が住宅でないものは対象になりませんので、たとえば店舗を住宅にするリフォーム工事は対象外です。
続いて、対象となるリフォーム工事は下記のものになります。
【対象工事】
上記のいずれか一つにあたる工事であることが必須です。
5万ポイントの判定は、上記だけでもよいですが、これに下記を併せて実施したとき、その合計が5万ポイント以上であれば、対象になります。
④~⑥のみでは5万ポイントの判定対象にならず、①~③と併せて実施する必要があるので注意してください。
申請の流れ
グリーン住宅ポイントの申請手順には、大きく次の2パターンがあります。
・工事の完了「後」に申請する
・工事の完了「前」に申請する
ポイント交換・追加工事交換の申請が令和3年10月31日までに行われる必要があるため、工事の完了日がそれ以降になる場合は、完了「前」の申請を検討することとなります。
完了「前」の場合、定められた期限までに工事の「完了報告」を別途行わなければなりません。
なお、ポイント交換・追加工事交換の申請は、工事施工者が代理で行います。
このことから、どのパターンで申請するかは、工事施工者と決めていくことになると考えられます。
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