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消費税の総額表示の対象にならないもの

2021.06.16

消費税の総額表示については、いろいろなところでわかりやすく解説されていますので、この記事では、総額表示の対象外になるケースについて解説します。

消費税の総額表示とは

令和3年4月から、一部の事業者に対して、消費税の「総額表示」の義務が生じます。

「総額表示」とは、消費税に相当する額を含めた価格の表示、つまり「税込み」による価格表示をいいます。

消費者に、支払価格を誤認させないためのルールです。

総額表示の義務が生じるのは、課税事業者のうち、不特定多数の消費者にあらかじめ価格を表示している場合となります。

価格を表示していれば、値札、商品陳列棚、店内表示、チラシ、広告、カタログ、看板、車両の側面でも該当しますし、ホームページや電子メールで表示する場合も該当します。

表示義務はもともとあった

消費税の総額表示の義務は、消費税法によって、前から定められていました。

しかし、平成26年4月・令和元年10月に、税率が、8%・10%に上がったことから、事業者の負担を考慮して、平成25年10月1日~令和3年3月31日までの間、総額表示を不要とする特例が施行されていました。(誤認防止措置を図っている場合のみ)

この特例の期間が終了したため、令和3年4月1日から、再び総額表示の義務が生じることになりました。

総額表示の対象にならないもの

不特定多数に価格を表示しない場合

総額表示の義務があるのは、不特定多数の消費者に向けて価格を表示する場合です。

よって、特定の相手にのみ価格を表示するケースは対象外となります。

ただし、会員制のお店などでも、会員を不特定多数から募集している場合は、不特定多数に価格を表示することとなりますので、総額表示の対象になります。

事業者のみに価格を表示する場合

総額表示の義務は、「専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く」とされています。(消費税法第63条)

これは、事業者専用に行われる商品の販売やサービスの提供は、総額表示の対象にならないということです。

事業者専用であることの判断基準は、通達で「資産又は役務の内容若しくは性質から、およそ事業の用にしか供されないような資産又は役務の取引であることが客観的に明らかな場合」とされています。

これにあたるものとして、

・建設機械の展示販売

・事業用資産のメンテナンス

が例示されています。

たとえ不特定多数への販売やサービスの提供であっても、上記のような事業者専用のものについては、総額表示の対象になりません。

見積書、契約書、請求書等を発行する場合

総額表示の対象は、あらかじめ、不特定多数の消費者に向けられた価格表示です。

したがって、見積書、契約書、請求書などの価格表示は、総額表示の対象になりません。

もとから価格を表示していない場合

総額表示の義務は、日ごろ価格を表示していない商品などに価格表示を義務付けるためのものではありません。

したがって、もとから価格を表示していないものについては、総額表示の対象になりません。

免税事業者である場合

免税事業者は、そもそも消費税を受け取るしくみがありませんので、総額表示の対象になりません。

消費税の総額表示の対象にならないもの記事まとめ

【消費税の総額表示の対象にならないケース】

・不特定多数に価格を表示しない場合

・事業者のみに価格を表示する場合

・見積書、契約書、請求書等を発行する場合

・もともと価格を表示していない場合

・免税事業者である場合

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