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「合計所得金額」と「総所得金額等」の範囲や違いについて

2021.09.9

税制などの適用を受けるとき、個人の所得に関する条件として「合計所得金額〇〇万円以下」や「総所得金額等〇〇円以下」などがあります。
いずれも所得の合計であることは察しがつきますが、何に違いがあるのか確認する機会は少ないのではないでしょうか。
この記事では、「合計所得金額」と「総所得金額等」の範囲や両者の違いについて解説します。

合計所得金額・総所得金額等とは

合計所得金額と総所得金額等は、いずれも
・総所得金額
・退職所得金額
・山林所得金額
・その他の申告分離課税の所得金額(不動産の譲渡所得、上場株式等の譲渡所得や配当所得など)
の合計です。

総所得金額とは

総合課税の所得の合計金額で、分離課税の所得を含みません。
具体的には下記の合計金額です。
・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・事業所得
・給与所得
・譲渡所得(総合・短期)
・譲渡所得(総合・長期)の2分の1
・一時所得の2分の1
・雑所得
上記のうち、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得については、その金額がマイナスである場合、一定の手順で他の所得と損益通算を行います。
総所得金額について、計算例を2つ見ておきましょう。
【例1】
・不動産所得 300万円
・給与所得 700万円
・一時所得 100万円
→ 一時所得は2分の1になりますので、総所得金額は1,050万円になります。
【例2】
・不動産所得 ▲100万円
・給与所得 700万円
→ 不動産所得の▲100万円を給与所得の700万円と通算しますので、総所得金額は600万円になります。

確定申告不要な所得の扱い

上場株式の譲渡所得や配当所得などについて、源泉徴収ありの特定口座を使用し、源泉分離課税が適用されている場合は、その所得は合計所得金額や総所得金額等に含まれません。ただし確定申告をすると含まれるようになります。
これに対し、退職所得金額は、原則は確定申告不要ですが、確定申告をしたかどうかにかかわらず、合計所得金額や総所得金額等に含める必要があります。

分離長期・分離短期の譲渡所得は特別控除前の金額

不動産の譲渡所得は「申告分離課税」の対象で、一定の要件を満たす場合、特別控除(例:マイホーム特例による3,000万円の控除など)を適用することができます。
ただし、合計所得金額や総所得金額等の計算では、特別控除「前」の金額で計算します。
【例】
・給与所得 700万円
・不動産の譲渡所得 0円(1,000万円であるが、特別控除によって0円)
→合計所得金額と総所得金額等は、ともに1,700万円になります。

合計所得金額と総所得金額等の違い

個人の所得税の計算をするとき、ある年に発生した損失を翌年以降に繰り越して、翌年以降の所得から控除できる「繰越控除」という制度があります。
事業で赤字になったときの損失を翌年以降3年間繰り越すことができる「純損失の繰越控除」や、雑損控除(災害、盗難・横領によって資産に損失が生じた場合の所得控除)を控除しきれなかったときの「雑損失の繰越控除」、他にも、居住用財産の買換え等で譲渡損失が生じたとき、特定居住用財産の売却で譲渡損失が生じたとき、上場株式等の取引で譲渡損失が生じたときなどに繰越控除を適用することができます。
合計所得金額は、繰越控除の適用を行う「前」の金額となりますが、総所得金額等は繰越控除の適用を行った「後」の金額となります。
【例】
・不動産所得 300万円
・給与所得 700万円
・前年の純損失の繰越控除 ▲100万円
(解説)
合計所得金額は繰越控除を適用する「前」の金額ですが、総所得金額等は繰越控除を適用した「後」の金額になります。
したがって、合計所得金額は1,000万円、総所得金額等は900万円になります。

「合計所得金額」「総所得金額等」の違い まとめ

合計所得金額と総所得金額等の違いは、純損失・雑損失など各種繰越控除の適用があるかどうかにあります。
合計所得金額は繰越控除を適用する「前」、総所得金額等は、繰越控除を適用した「後」の金額になります。

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