問題解決スキル~PDCAサイクル~
2019.07.31
PDCAサイクルと呼ばれる問題解決スキルがあります。1. Plan(計画)→2. Do(実行)→3. Check(評価)→4. Act(改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していくというもので、CheckをStudy(研究)に置き換えたPDSAサイクルとする解釈もあります。
改善することが目的
PDCAサイクルに則って業務を進めていく際、気をつけなければならないことがあります。
よく失敗なくして成功はないと言われますが、まさにこれがその部分にあたります。
何かを実行しようと思ったとき、まず実績や予測などに基づいて計画します。そして、その計画に沿って実行していきます。これがPDCAサイクルの前半部分です。
このとき、失敗しても構わないのです。あとで必ず改善するからです。
極端に言えば、むしろどこが失敗なのかを知るために実行すると言ってもいいでしょう。目的は改善すべき箇所を見つけることなのです。
失敗を恐れて最初から上手くいくように、と考えてしまうとなかなか正解にたどり着けません。
あるいはなかなか実行に移せなくなります。
ここで言う正解とは唯一の答えではなく、スポーツや勉強などの「コツを掴む」といった感覚と似ています。
何度も何度も数をこなしていくと、どこかでコツを掴む瞬間があります。
それが何回目かは、個人差もありますし明確な答えは出せませんが、数回でも数十回でも試してみてください。
一度上手くいくようになれば、そこからは上手くいくことが続くようになっていくので、諦めないことが大切です。
過保護という罠
最近では、失敗させたら傷ついてしまう、会社を辞めてしまうのでは、などと気にしすぎるあまり、失敗させないようにする上司が多くなっているそうです。
多様なハラスメントが問題視される影響もあるのかもしれません。
しかし結果的に、上に立つ人間が部下や教え子に対して気を遣いすぎるために、PDCAサイクルを妨げてしまうのです。
心配や不安はあるかもしれませんが、ぜひ自信を持って失敗させてあげてください。
逆に自分も若いとき苦労したから同じ思いをさせたくない、と最初から答えばかり教えようとする熱血系の上司もいます。
これも一見優しさのように見えますが、結局本人から愉しさや成長を奪ってしまいます。
失敗や試行錯誤があったからこそ、成功したときの歓びがあります。
苦労した思い出も、あとになればきっと良い思い出に変わっているでしょう。
先に動いてから、後で考える
PDCAサイクルの肝となるのが、後半部分です。
実行したことが計画に沿っているか、上手くいったかどうかなどを評価して、計画通りにいかなかった部分を調べて改善していきます。
このとき自己評価だけでなく誰かに見てもらうなど客観的な評価も交えることで、解決策や改善案を模索できます。
足を使うフットワークと頭を使うヘッドワークがありますが、大まかに言えば前半がフットワーク、後半がヘッドワークになります。
PDCAサイクルの大事なポイントは、動いてから考える点です。
多くの方が、まず考えてから動こうとするのではないでしょうか。
確かに何も考えず行動するのは危険です。
しかし計画は企画やシミュレーションなど最低限のもの。まずはやってみようというところから始めて、実行したあとで考える、そして一気に解決しようとせず、少しずつ改善を繰り返し何度も挑戦することが大切です。
やってみたあとで、ここは良かったけどここはダメだった、なぜ上手くいかなかったのか、どうすれば良くなるのか、じゃあ次はこうしよう、と新しい計画が自ずと生み出されていきます。
こうして再び計画が生まれ、実行し、それを評価して、また改善する、というスパイラルを描ければPDCAサイクルの完成です。
次のPDCAを行なうときには前のPDCAよりもレベルアップしているはずなので、徐々に良いものに仕上がっていき、常にその時点の最善を繰り返し行なっていきます。
まとめ
・改善することが目的なので、失敗を恐れない
・諦めずに何度も数をこなす
・部下や教え子を信じて失敗させてあげる
・考えてから動くのではなく、動いてから考える
・一気に解決しようとせず、少しずつ改善を繰り返す
【 起業支援 ・節税対策なら名古屋市北区の三宅正一郎税理士事務所にご相談下さい】