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2024年から変わる生前贈与 改正の背景

2023.12.27

相続税の節税対策として有効なものに、生前贈与があります。

この生前贈与に関わる贈与税の課税方法が、2024年から一部見直されます。

「110万円までなら贈与税はかからない」と考えてこれから贈与を計画されている方も、今回の改正によって贈与の在り方を見直さなければならなくなるかもしれません。

生前贈与による節税のしくみ

なぜ生前贈与が相続税対策になるのか

生前のうちに財産をお子さんなどに贈与することによって、亡くなられたときに相続税がかかる財産を減らすことができます。

例えば、1,000万円の現金を保有している人が亡くなられた場合、その1,000万円は、相続時に所有していた財産として、他の資産と合算されて相続税の課税対象になります。

しかし、この現金を生前のうちにお子さんなど将来の相続人になる人に贈与しておけば、相続時に所有する財産額が減少し、お子さんらが将来負担する相続税を節税することができるのです。

贈与税には基礎控除110万円がある

そうすると、誰も相続税を支払わなくなるため、生前贈与にも贈与税という税金がかかるようになっています。

しかもこの贈与税は、渡した財産の金額に対して相続税より割高にかかるよう設定されています。無計画に贈与をすると損をするように設計されているのです。

しかし、贈与税には贈与を受けた人に年110万円までの基礎控除があります。

そのため、この基礎控除の範囲内で贈与をすれば、贈与税の負担をせずにお子さんなどに財産を移転させることができます。

贈与税の基礎控除のしくみ

基礎控除は、贈与を受ける人ごとに、毎年適用されます。

例えば、長男・長女・孫の3人に110万円ずつ贈与をする場合、この3人が他の人からその年に贈与を受けていなければ、その年は合計で330万円の生前贈与を非課税ですることができます。

それが、将来相続人となる長男や長女の相続税対策になるということです。

ただし、もし父と母から長男に100万円ずつ同じ年に贈与をすると、長男がその年に受けた贈与額は200万円になるため、110万円を控除した後の90万円については、長男から税務署に贈与税の申告・納税が必要になります。

2024年1月からの改正の背景

相続税と贈与税の一体課税

もともと相続税の補完的な位置づけである贈与税ですが、別個の税体系として存在することによって、相続税の負担回避に利用されている実態が問題視されていました。

諸外国では、生前に相続人に贈与をした財産はすべて相続税の対象にするなど、贈与税と相続税を一体的に課税している例もあります。

政府は税制改正大綱の中で、こうした諸外国の制度を参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税することを、近年の税制改正大綱において表明し続けてきました。

若年世代への資産移転の促進・中立的な税制の構築

2024年1月からはじまる生前贈与の改正の背景として、政府は主に2つの状況を改善することを目指しています。

まず1つは、若年世代への資産移転が進みにくい状況にあることです。

高齢化に伴って、いわゆる「老老相続」が増加し、高齢世代に資産が偏在していることなどを指摘しています。

もう1つは、富裕層の税負担回避です。

相続税と贈与税では、贈与税のほうが財産額に対して割高に設定されているものの、もともと相続税で最高税率を適用されることがわかっている富裕層にとっては、一般には割高と考えられる贈与税を支払ってでも分割贈与をすることでトータルの税負担を低く抑えることが可能となります。

政府はこれらの状況を踏まえ、「高齢世代の資産が、適切な税負担を伴うことなく世代を超えて引き継がれることになれば、格差の固定化につながりかねない」とし、資産移転の時期を、節税ではなく本来のニーズに合わせて選べるようにすることで中立的な税制を構築するとしています。

2024年1月からの3つの改正点

2024年1月からの生前贈与に関わる改正点は下記の3つです。

暦年課税における生前贈与加算の延長

まず、贈与税の原則的な課税方法である暦年課税の生前贈与加算の期間が、現行の相続開始前「3年」から「7年」に延長されます。納税者側にとって増税といえる改正になります。

相続時精算課税制度の使い勝手の向上

一方で、贈与税のもう一つの課税方法である相続時精算課税の使い勝手が良くなりました。相続時精算課税とは平成15年から導入された制度で、まさに「相続税と贈与税の一体課税」と呼べる制度なのですが、暦年課税と比べて、税負担と事務負担の両方で不利な面が多いため、選びづらい面がありました。

2024年からはこの点が大きく改善されたため、今後は利用者が増えることが予想されます。

被災した土地・建物の特例

相続時精算課税制度のもとで贈与された土地・建物が被災した場合、損害を受けた金額分が将来の相続財産に加算されなくなります。

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