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法人成りした年の予定納税は減額できます!

2020.04.17

個人から法人成りをすると、個人のときの所得税から計算された「予定納税」の通知が届き、ビックリすることがあります。
予定納税とは、前年の所得税額の3分の1を、その年の7月・11月に納める制度です。
今回は、予定納税の減額申請についてお話します。

個人の予定納税とは

予定納税のしくみ

予定納税とは、本年の所得税の前払いにあたる納税です。
納期限は7月末と11月末の年2回で、それぞれ前年の所得税額の3分の1に相当する額を納税します。
つまり、
・7月(第1期)
・11月(第2期)
・確定申告(第3期)
の計3回に金額を分けて、所得税を納税するしくみです。

予定納税の具体例

仮に2019年分の所得税額が30万円だった場合、2020年分の予定納税額は、次のようになります。
【予定納税額】
・第1期(2020年7月)の納税額・・・10万円
・第2期(2020年11月)の納税額・・・10万円
その後2020年分の確定申告によって、所得税が50万円だった場合、確定申告での納税額は、50万円から第1期と第2期の納税額を控除した額になります。

【確定申告時の納税額】
・30万円(※)
(※)50万円-10万円(第1期)-10万円(第2期)
もし売上が伸び悩み、本年の税額が予定納税額よりも少なかった時は、確定申告で差額の還付を受けることができます。
上記の例で、2020年分の確定申告での納税額が12万円だった場合、確定申告によって8万円(※)が還付されます。
(※)12万円-10万円(第1期)-10万円(第2期)=△8万円

予定納税の対象となる人

予定納税の対象となるのは、「予定納税基準額」が15万円以上になる納税者です。
「予定納税基準額」とは、基本的には前年の所得税額になります。
ただし、一部の所得は計算から除外されるため、前年の所得税額どおりにならない場合もあります。
「予定納税基準額」は6月ころに税務署から金額が通知されますので、納税者が計算する必要はありません。

予定納税額の減額申請とは

年の途中で個人から法人成りすると、それ以降、個人の所得は発生しなくなります。
そのため法人成りした年の所得税は、一般的に、前年より少なくなるはずです。
しかし予定納税は、法人成りした年にも納税義務があり、その額は、前年の所得税をベースに計算されます。
そうすると「予定納税の額、ちょっと多すぎないか?」という場合があるのです。
そこで「予定納税の減額申請」の出番となります。
この申請の趣旨は、「今年は〇〇円しか税金は発生しそうにないので、予定納税額を減らしてください」というものです。

「予定納税の減額申請」の適用要件

「予定納税の減額申請」を行うことができるのは、次のいずれかにあてはまる場合です。

「申告納税見積額」は、減額申請時に計算します。
「予定納税基準額」は、税務署から送付される予定納税の通知書を確認しましょう。

「予定納税の減額申請」の期限

・第1期分及び第2期分の減額申請・・・その年の7月1日から7月15日まで
・第2期分のみ・・・その年の11月1日から11月15日まで

申請書の記載方法

減額申請は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」を作成して税務署に提出します。
申請書に記載する内容には、
・減額の理由(例:個人事業の廃業など)
・申告納税見積額
などがあります。
「申告納税見積額」は、申請用紙の「計算書」で計算することができます。
「計算書」は確定申告書のようなレイアウトになっているため、直近の確定申告書を見ながら作成するとよいでしょう。

予定納税の減額をしなかったらどうなる?

予定納税の減額をしなかった場合は、個人の確定申告をすれば大丈夫です。
予定納税で納めた税額のうち、納め過ぎている額があれば、還付されます。
上記の「予定納税の具体例」をご覧ください。

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