第3回 日本政策金融公庫の創業融資②女性、若者/シニア起業家支援資金 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

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税理士コラム

第3回 日本政策金融公庫の創業融資②女性、若者/シニア起業家支援資金

2020.02.4

政府全額出資の政府系金融機関である日本政策金融公庫には様々な融資制度がありますが、なかでも創業融資は民間金融機関が積極的になりにくいところもあり創業者に人気となっています。
創業融資にはいくつかの融資制度や融資特例があり、それぞれ要件や特徴に違いがあります。
今回は創業融資の中でも創業者の性別や年齢といった属性が利用条件となっている女性、若者/シニア起業家支援資金について、わかりやすく解説します。

女性、若者/シニア起業家支援資金とは

利用可能者

1.新たに事業を開始する者、事業開始後おおよそ7年以内の者

前回解説した「新規開業資金」の基礎条件と同じです。

2.女性または35歳未満か55歳以上の者

女性であれば全年齢で対象となり、男性であれば35歳未満か55歳以上であれば対象となります。

これらの対象者の開業率が35歳から55歳までの男性に比べ低いことから、政策的に支援しようとの趣旨でこの融資制度が創設されました。
新規開業資金と違い雇用創出要件、勤務歴要件、認定特定創業支援事業を受けて創業する用件等は一切ありません。ただ性別と年齢による要件があるだけです。この点が本融資制度の最大の特徴です。

利用できる資金使途

「新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金」(公庫ホームページより引用)です。
この点も新規開業資金と同じです。

融資限度額

7,200万円(うち運転資金は4,800万円)とありますが、新規開業資金と同様あくまで制度上の限度額です。実際は提供する担保価値などで大きく上下する点も変わりません。
大半のケースで該当する人的保証(連帯保証人)で、数百万円~2,000万円が実態となっています。新規開業資金と比較して、特に大きく融資を認めることはありません。

返済期間と据置期間(利息のみの支払期間)

・設備資金(設備の購入資金):返済期間20年以内、据置期間2年以内

制度上の最大設定期間も新規開業資金と同様です。設備の耐用年数以上とすることはそう多くありません。希望により短縮することが可能です。
据置期間は実際上長くて半年程度が多くなっていますよほど明確な根拠が認められなければそれ以上とすることは難しいでしょう。

・運転資金(仕入れ資金や諸経費支払資金):返済期間7年以内、据置期間2年以内

これも制度上の最大設定期間であり、実際は3年から5年、据置期間も半年程度が大半です。

適用利率

土地取得資金は基準利率ですが、それ以外の利率は以下の通りです。

1.原則、特別利率A(無担保の場合令和2年1月6日現在1.76%~2.05%:返済期間により上下、以下同じ)基準利率から0.4%低い利率。

2.技術・ノウハウ等に新規性がみられる場合特別利率B(無担保の場合令和2年1月6日現在1.51%~1.80%:返済期間により上下)基準利率から0.65%低い利率。

3.地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める場合、特別利率B(無担保の場合令和2年1月6日現在1.51%~1.80%)、基準利率から0.65%低い利率。

4.地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める場合、特別利率C(無担保の場合令和2年1月6日現在1.26%~1.55%)、基準利率から0.9%低い利率。

その日現在の利率は公庫の利率一覧表を参照してください。

この点も原則基準金利であった新規開業資金と違い、原則特別利率(基準利率より引き下げられた利率)が適用されます。条件を満たせばさらに低い利率の適用が可能となっており、金利面からも該当する女性・若者、シニアの起業を後押ししています。

連帯保証・担保の要否

連帯保証もしくは物的担保が原則必要としています。「新創業融資制度(特例制度)」の条件を満たせば、一定の利率を上乗せして無担保・無保証となります。

新創業融資制度(特例制度)との関係

女性、若者/シニア起業家支援資金における新創業融資制度適用の条件

以下の条件(原則)を満たすことで、適用予定の利率に0.4%加算することで無担保・無保証となります。

1 創業要件

・新たに事業を開始するか、事業を開始して税務申告を2期終えていないこと

2 雇用創出等の要件

・「雇用の創出を伴う事業を始める方」

・「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」

・「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方。

本特例制度の貸付金残高が1,000万円以内であれば、本要件を満たすものとされます。

3 自己資金要件

・新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金が確認できること

「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める」等に該当する場合は本要件を満たすものとされます。

女性小口創業特例(新創業融資制度の拡充)

女性の小口創業をさらに支援するため、融資額が300万円以内であるときに限り新創業融資制度の適用条件の撤廃をしています。
女性であって融資額が300万円以内の場合、新創業融資制度の適用における「2 雇用創出等の要件」(上記2)は撤廃されます。
この場合、新創業融資制度特例が適用され無担保無保証となるためには、「1 創業要件」、「3 自己資金要件」を満たせばいいことになります。

まとめ

・女性、若者/シニア起業家支援資金は要件に該当すれば利率も低く使いやすい制度

・新創業融資制度(特例)を組み合わせれば無担保無保証で利用可能

・女性で300万円以内の場合、創業要件と自己資金要件を満たすだけで無担保無保証となる


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