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【令和2年度税制改正大綱】アパートの消費税還付スキーム封じ 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

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税理士コラム

【令和2年度税制改正大綱】アパートの消費税還付スキーム封じ

2020.03.6

不動産賃貸業では、ご存知のとおり、賃貸する建物の用途が「住宅用」である場合、その家賃収入は、消費税の非課税売上になります。
そのため、アパート賃貸をメインにしている不動産賃貸業者は、消費税の課税事業者になるケースは少ないと言えます。
これは、消費税の課税事業者になる要件が、一定の期間中の「課税売上高」で判断されるためです。
さて、令和2年度税制改正大綱には、消費税の改正に「居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度等の適正化」という項目があります。
その中に、アパートなど購入費にかかる消費税の還付スキームを封じる改正内容が含まれています。
この消費税還付スキームは、賃貸用の建物の購入費にかかる消費税額を「仕入税額控除」に計上し、消費税の還付を受けるというものです。
今回は、アパートの消費税還付スキームのしくみや規制対象になった行為について解説します。

アパートを取得したときの仕入税額控除

まずは、消費税還付スキームの軸となる「仕入税額控除」について、ポイントをかいつまんでお話します。

消費税の還付のしくみ

そもそも消費税は、原則として、受け取った消費税額から支払った消費税額を控除して差額を納税します。
この控除額が「仕入税額控除」のことです。
消費税が還付されるケースは、受け取った消費税額よりも支払った消費税額の方が多い場合です。高額な事業用の資産を購入したときなどが考えられます。
そのため免税事業者が、還付を受けるためにあえて「課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者になることもあります。なお、今回の規制に関わらず、課税事業者の選択には注意点がありますので、選択する前に必ず税理士に相談することをおすすめします。

アパートの取得は課税仕入れ

賃貸用アパートを購入した場合、その建物部分の購入額は課税仕入れになります。(土地は非課税)
そのため、もし1億円の建物を購入した場合、消費税込みで1億1,000万円の取引となり、支払った消費税は1,000万円になります。
ではこの1,000万円が仕入税額控除になるのかというと、そうではありません。
1,000万円の全額を仕入税額控除にできる事業者と、できない事業者がいます。

課税売上割合95%未満は全額を仕入税額控除にできない

1,000万円の全額を仕入税額控除にできる事業者とは、次の2つの条件を満たす事業者に限られます。

・課税売上割合が95%以上

・課税売上高5億円以下

今回の話で重要なのは、「課税売上割合が95%以上」です。
課税売上割合とは、簡単にいうと、課税売上高と非課税売上高の合計のうち、課税売上高が占める割合をいいます。
そうすると、アパートの賃貸収入は非課税売上ですから、アパートの賃貸をメインで行っている事業者の場合、課税売上割合は95%に到達しません。
95%未満の事業者は、仕入税額控除の額を、課税仕入れの中身で判定することになります。
結論を言うと、この判定によって、賃貸用アパートの購入費のために支払った消費税額は、仕入税額控除の対象にならなくなります。
賃貸用アパートの購入費が、「非課税売上げにのみ要するもの」だからです。
つまり、さきほどの1,000万円は、その全額を支払った事業者が負担することになります。

規制された消費税還付スキームとは

消費税の還付のしくみと課税売上割合の関係を把握すれば、今回規制された消費税還付スキームの内容が見えてきます。

規制の背景

規制の背景にあるのは、賃貸アパートなどを購入した課税事業者が、課税売上割合を意図的に95%以上に引き上げて、「非課税売上げにのみ要する」課税仕入れの消費税を、仕入税額控除に計上する行為があったためと考えられます。
たとえば、金地金など課税取引となる資産の売買を繰り返し、わざと課税売上割合を引き上げて、実質的に、賃貸アパートの購入費にかかる消費税額の還付を受けるような行為です。
金地金は価格が安定していますから、短期間に売買しても若干の譲渡損益が生じるのみで、課税売上割合を引き上げる材料に適していたのではないでしょうか。

規制対象は「居住用賃貸建物」の購入

大綱によると、令和2年10月1日以後に行われる「居住用賃貸建物」の課税仕入れにかかる仕入税額控除は、原則、認められなくなります。
ただし令和2年3月31日までに締結した契約に基づく場合は、10月以降に建物の仕入れがあっても規制の対象にはなりません。
「居住用賃貸建物」の定義としては、「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産に該当するもの」とされています。
「高額特定資産」とは、一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額が、税抜きで1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。
つまり1,000万円以上の住宅専用の建物は、課税売上割合に関係なく、10月からは仕入税額控除を認めませんよ、ということです。
なお「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の対象とする」ことが明記されていますので、運用には注意しましょう。
今後、賃貸アパート等を新たに購入される方で、仕入税額控除の適用をお考えの方は、まずは税理士にご相談ください。

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