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医師・歯科医師の確定申告に使える概算経費について税理士が解説 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

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税理士コラム

医師・歯科医師の確定申告に使える概算経費について税理士が解説

2020.10.14

個人の医師・歯科医師、医療法人の社会保険診療報酬が年間5,000万円以下の場合、その年(事業年度)における経費を概算計上することができます。(租税特別措置法第26条、第67条)
一般的に小規模な医院で適用しやすい特例ですが、今年はコロナ禍の影響で使えるケースが増えているかも知れません。
今回は、普段このルールを使っていない個人開業医に向けて、特例の概要と一般的な注意点を解説します。

確定申告で使える「概算経費の特例」

概算経費の特例の概要

概算経費の特例とは、社会保険診療報酬に対応する経費を所定の経費率で計上できるというものです。
実額の経費とどちらか有利なほうを選択することができます。
医療法人も使うことができる特例ですが、一般的には、院長の給与など経費にならないものが多い個人開業医に活用メリットがあります。

適用できる医療機関

医業や歯科医業を営む個人が、次のいずれも満たしている場合に対象となります。

・社会保険診療報酬が年間5,000万円以下

・医業、歯科医業の総収入が年間7,000万円以下

社会保険診療報酬については、健康保険、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療制度、生活保護法、精神保健福祉法・・・などによる療養の給付や介護、助産を含むものとして、租税特別措置法第26条第2項に定められています。
一般的に自由診療にあたらない収入のことです。

【例】
<医業、歯科医業の収入の内訳>

・社保診療 4,000万円

・自由診療 2,000万円

・合計   6,000万円

→ 対象

・社保診療 5,500万円

・自由診療 500万円

・合計   6,000万円

→ 対象外

・社保診療 3,000万円

・自由診療 5,000万円

・合計   8,000万円

→ 対象外

概算経費の計算方法

概算経費は、社会保険診療報酬に対する割合計算となりますが、金額が高い部分ほど適用される割合が小さくなります。
金額帯ごとにいちいち適用率を変えて計算するのは大変なので、次の速算表を使って計算します。

<概算経費の速算表>

【例】

社保診療 3,200万円

→概算経費 2,274万円(※)

(※)3,200万円×62%+290万円

実額の経費よりも概算経費の額が大きければ、概算経費を使ったほうがお得になります。
ただし、実額の経費と概算経費の判定には注意点があります。

概算経費を使うときの注意点

社保診療分の実費・特典経費は経費にならない

概算経費は、実額経費や青色申告の特典経費(事業専従者給与・一括評価による貸倒引当金繰入額・退職給与引当金繰入額)などすべての経費を含めたものです。
そのため概算経費を使うと、社保診療分に対応するこれらの経費は個別に計上できなくなります。

自由診療分は経費になる

概算経費を使うと社保診療分の経費は計上できなくなりますが、自由診療分の経費は、概算経費とは別に計上できます。
全体の経費のうち、自由診療と社保診療を明確に区分できる経費については、自由診療分が全額経費になりますし、社保診療と共通する経費についても自由診療分を按分計算すれば自由診療分の経費になります。
按分計算は、診療日数や収入金額などから自由診療割合を算出し、それを使って行います。
青色申告の特典経費も、自由診療割合で算出した部分は経費になります。
これにより、「概算経費の方が、実額経費(社保診療+自由診療)よりもちょっと少ない」というような場合でも、自由診療で計上できる経費によっては概算経費のほうがお得になる場合があります。

青色申告特別控除の適用額に注意

概算経費を使う場合、社保診療分の事業所得について青色申告特別控除を使うことはできません。
自由診療分の事業所得にすべて振ることになりますので、自由診療分の所得の金額によっては、全額を計上できないケースが出てきます。
このことは概算経費を使うかどうかのシミュレーションにも影響しますし、全額計上できないことを忘れていつもどおり65万円等で計上してしまう申告ミスにも注意が必要です。
なお令和2年分から、青色申告特別控除の金額が変わる方が出てきます。

参照記事:令和2年分から65万円の青色申告特別控除を受けるには

確定申告にも注意

概算経費を使う場合、確定申告書に特例を使う旨の記載がない場合には、適用しないこととされています。(租税特別措置法第26条第3項)
具体的には、第二表の特例適用条文欄に「措法26」と記載するほか、「青色申告決算書(一般用)付表<医師及び歯科医師用>」を作成して、申告書に添付して提出することとされています。

医師・歯科医師の確定申告に使える概算経費 まとめ

・社会保険診療収入が5,000万円以下(総収入7,000万円以下)であれば概算経費か実額による経費のいずれか有利なほうを適用できる。

・概算経費に加えて、自由診療分の経費は別に計上できる

・青色申告特別控除の適用は自由診療分のみ

・確定申告では、申告書への記載ルールや明細書の作成に注意


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