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退職金から源泉徴収する税金の計算方法【税理士が丁寧に解説します】 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

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退職金から源泉徴収する税金の計算方法【税理士が丁寧に解説します】

2021.01.20

役員や従業員に退職金を支給するとき、会社は所得税(及び復興特別所得税)の源泉徴収と住民税の特別徴収を行います。
退職金から徴収する税額の計算方法は、退職者から事前に「退職所得の受給に関する申告書」(退職所得申告書)の提出を受けているときとそうでないときで変わります。

(出典)国税庁「退職所得の受給に関する申告」(退職所得申告書)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_37.htm

この記事では、退職金から徴収する所得税や住民税の計算方法を解説します。

退職金の源泉徴収(特別徴収)税額の計算式

退職者から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けているとき、徴収する所得税、住民税は、下記のように計算します。

【退職金から徴収する税額の計算式】
退職所得(※)×各税率(所得税、住民税)
(※)退職所得
(退職金の額-退職所得控除額)×2分の1

退職所得控除額とは

退職所得控除額は、勤続年数に応じて次のとおり計算します。

勤続期間に1年未満の端数があるときは、1年に切り上げて勤続年数を計算します。
たとえば、勤続期間が25年10ヶ月のときの勤続年数は、26年となります。
このときの退職所得控除額は、1,220万円です。

【計算式】
800万円+70万円×(26年-20年)=1,220万円

なお、退職者が

・同じ年に他の退職金を受けている

・前年以前に他の退職金を受けている

などの場合は、勤続年数の計算が変わることがあります。
つまり「退職所得の受給に関する申告書」は、正しい勤続年数を計算するために提出してもらうのです。

退職金の税金は優遇されている

退職所得は、まず源泉徴収前の退職金の額から「退職所得控除額」を控除し、それを2分の1にします。
さらに退職金の税額は「分離課税」といって、退職金のみで税金を計算します。他の課税所得から分離することによって、所得税率が高くならないように配慮されています。
なぜこのように、退職金が優遇されているかというと、退職金が長期にわたる勤務に対し累積された金銭であり、しかも、一般的に老後の生活資金になるという性質があるからです。
受け取った年に他の所得と同じように課税すると、税負担が重くなりすぎてしまうことから、上記の計算方法によってなるべく税負担が少なくなるよう配慮されています。
なお、特定役員に対する退職金(役員としての勤続年数が5年以下のときの退職金)は、2分の1の適用がありません。
また、役員以外であっても、令和4年以降に支給される退職金のうち、5年以下の勤続年数に対応する退職金については、退職所得控除額を差し引いた残額のうち300万円を超える部分には、2分の1を適用しないこととなります。

計算の具体例

【例】退職金2,000万円、勤続年数26年(申告書の提出あり)

・退職所得の金額

(2,000万円-1,220万円)×2分の1=390万円

・所得税及び復興特別所得税

390万円×20%-42万7,500円=35万2,500円
35万2,500円×102.1%=35万9,902円(1円未満切り捨て)

・住民税

390万円×10%=39万円

<退職所得の所得税の速算表>

<所得税及び復興特別所得税>

所得税×102.1%

<住民税>

10%(都道府県民税4%、市区町村民税6%)

申告書の提出がないときの所得税・住民税

「退職所得の受給に関する申告書」の提出がないとき、所得税及び復興特別所得税は、一律20.42%を源泉徴収します。

【例】退職金2,000万円、勤続年数26年のとき
2,000万円×20.42%=408万4,000円

ただし、実際の税額は、前項の計算式による税額です。
その差額は、退職者本人が確定申告によって精算することとなります。(還付を受けられる場合が多いと思います。)

住民税は、支払済みの他の退職金がないものとして、10%で計算します。

退職金から源泉徴収する税金の計算方法【税理士が丁寧に解説します】記事まとめ

・退職金から徴収する税額の計算方法は「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けたかどうかで変わる

・提出を受けているときは、申告書の内容から勤続年数を計算する


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