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みなし役員で家族従業員のボーナスが損金不算入に

2019.08.3

会社法上の役員とは、取締役、会計参与、監査役のことで、会社の登記事項でもあります。
これに対し、税法上の役員は、会社法の役員に加えて、

・使用人以外の者で、その法人の経営に従事しているもの
・同族会社の使用人のうち、一定の株式所有割合要件を満たしているもので、その会社の経営に従事しているもの

も役員とみなします。
これを「みなし役員」といいます。
みなし役員に該当すると、その給与・賞与には、役員報酬の損金不算入のルールが適用されます。
このことから税務調査等で「この方は使用人ではなく、みなし役員なので、定期同額でない給与やボーナスは損金に算入できません!」と否認される可能性があります。
注意が必要なのは、家族経営の会社で、持ち株のある親族を使用人とする場合です。
今回は、家族経営の会社で、使用人である親族が「みなし役員」に該当する要件を解説します。

みなし役員の判定要件とは

家族経営の会社で、みなし役員に該当しないよう注意しなければならない要件は、後者の「同族会社の使用人のうち、一定の株式所有割合要件を満たしているもので、その会社の経営に従事しているもの」です。

この要件に該当するのは、

・同族会社の使用人に該当するもの
・一定の株式所有割合要件を満たすもの
・会社の経営に従事しているもの

のすべてを満たす使用人になります。

同族会社の使用人に該当するもの

同族会社とは、株主同士の親族関係など特殊関係を考慮して分けられた「株主グループ」のうち、上位3グループが、全体の50%を超える株式や議決権等を保有する会社のことです。
親族経営の会社の場合、ほとんどが同族会社に該当します。
使用人とは、役員でない人で、職制上使用人としての地位のみを有する人のことです。

一定の株式所有割合要件を満たすもの

判定対象となる使用人が所属する株主グループが、「50%超」、「10%超」、「5%超」のすべての要件を満たすことをいいます。
「50%超」の要件は、判定対象の使用人が、株主グループの上位3グループに所属し、かつ、そのグループ全体の保有株式が50%を超えているかどうかで判定します。
「10%超」の要件は、判定対象の使用人が所属する株主グループの保有株式が、10%を超えているかどうかで判定します。
「5%超」の要件は、判定対象の使用人個人が保有する株式が、全体の5%を超えているかどうかで判定します。
一見、ややこしいルールですが、仮に株主全員が親族である会社の場合、全員が第一順位の株主グループに所属することになるため、「50%超」と「10%超」の要件は、自動的に全員が満たすこととなります。
実質の判定は、個人判定となる「5%超」の要件のみです。
ただし「5%超」は、判定対象の使用人の配偶者等の株式を含めて判定されます。
たとえば、社長の妻、長男、長女が使用人として働く会社で、それぞれの次の割合(%)で株式を保有しているとします。

上記の使用人のうち、「5%超」を満たすのは、妻と長男です。
長男は、個人で5%を超える株式を保有していますから当然です。
これに対し妻は、個人では5%に届きませんが、配偶者(経営者)の株式も判定対象となるため、63%で判定を受けることになります。
長女は、妻と同じ保有割合ですが、配偶者等はないため、5%超えの要件を満たしません。
したがって、この会社では妻と長男が、次項の「会社の経営に従事している」場合、みなし役員として判定されます。

会社の経営に従事しているもの

「会社の経営に従事している」とは、その会社の主要な業務執行の意思決定に参与していることや、首脳的な職務に従事していること等が判断基準となります。
経営方針にタッチしているか、普段行っている職務の内容や、その職務が経営者の方針に従って行われているかどうか等の状況を、総合的に判断することとなります。

みなし役員になったら

親族がみなし役員になると、その親族に支払われた給与は役員報酬となり、定期同額給与、事前確定届出給与などの支給要件を満たさなければ、損金不算入となります。
特に使用人として支給されたボーナスが、後から役員賞与とされた場合、事前確定届出など当然に行われていないため、その全額が損金不算入となってしまいます。

まとめ

家族経営の会社で、持ち株のある親族を使用人として使用する場合、税法上のみなし役員に該当しないか注意が必要です。 みなし役員の判定や役員給与の損金算入ルール等については、税理士にご相談ください。
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