役員退職金はいくらまで損金に算入できる? 名古屋市北区で税理士なら三宅正一郎税理士事務所

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税理士コラム

役員退職金はいくらまで損金に算入できる?

2019.08.23

どのような経営者も、いつかはその役目を終えて引退しなければなりません。
それまでの大変な生活から、第二の人生はご家族とゆっくりと過ごされたいという方が多いように感じます。
さて、第二の人生を有意義に過ごすために欠かせないのが退職金です。
ところが、役員の退職金についても、給与と同様に、損金に算入するためのルールがあります。

役員退職給与を損金に算入するための要件

損金算入が認められる役員退職給与

役員に支給される退職金のうち、損金算入が認められるものは、

・業績連動給与に該当する退職金
・不相当に高額でない退職金

のいずれかに該当する退職金です。

業績連動給与に該当する退職金とは

平成29年度税制改正によって、新設されたルールです。
それまで役員退職金については、次項の「不相当に高額でない退職金」であれば、損金に算入できることになっていました。
改正では、そのうち「業績連動給与に該当する退職金」を、損金算入できるものとして、他の退職金と、法律上、区別したものになります。
なお業績連動給与とは、それまで「利益連動給与」であったものが、内容とともに名称変更されたものです。
改正後は、非同族会社の完全子会社である同族会社にも適用範囲が及ぶこととなりましたが、いずれにしても適用できる会社は限定的といえます。
これに該当しない退職金は、引き続き次項のルールが適用されます。

不相当に高額でない退職金とは

こちらは、改正前から存在するルールとなります。
不相当に高額でない退職金の額は、役員の従事期間、退職の事情、同業かつ類似規模の法人の支給状況等から、その役員の退職金として相当な金額と規定されています。
相当な金額は損金に算入できますが、超過分は、損金不算入となります。
相当な金額の計算方法について、法令の決まりはありませんが、実務では「功績倍率法」という方法が用いられている実態がありました。
このことから、平成29年度税制改正において、この「功績倍率法」の定義や、「功績倍率法」で計算した退職金が業績連動給与に該当しないことが、法人税基本通達で明確化されました。

法人税基本通達9-2-27の2【業績連動給与に該当しない退職給与】

“いわゆる功績倍率法に基づいて支給する退職給与は、法第34条第5項((業績連動給与))に規定する業績連動給与に該当しないのであるから、同条第1項((役員給与の損金不算入))の規定の適用はないことに留意する。”

一見、何を定めたものかわかりづらいのですが、これは「功績倍率法」で計算した退職金が、従来ルールである「不相当に高額でない退職金」の要件を満たさなければ損金に算入できないことを留意的に示したものです。
見方を変えると、不相当に高額でない退職金の計算方法に「功績倍率法」が正式に加わったとも言えます。
このことから、中小企業の実務では、「功績倍率法」による退職金の計算が、引き続き主流になると考えられます。

「功績倍率法」とは

功績倍率法の定義

前掲の基本通達による「功績倍率法」の定義は、次のとおりです。

“(前略)功績倍率法とは、役員の退職の直前に支給した給与の額を基礎として、役員の法人の業務に従事した期間及び役員の職責に応じた倍率を乗ずる方法により支給する金額が算定される方法をいう。”

具体的な計算方法は示されていませんが、過去に、下記の方法で計算された例があります。

平均功績倍率法

同業類似法人の平均功績倍率×最終月額報酬×勤続年数

最高功績倍率法

同業類似法人の最高功績倍率×最終月額報酬×勤続年数

1年当たり平均額法

同業類似法人の役員退職金の1年当たりの平均額(※)×勤続年数
(※)(同業類似法人の役員退職給与)/(その役員の勤続年数)

このとおり、功績倍率法を用いるには、同業かつ類似する規模の法人のデータが不可欠となります。
したがって、計算は税理士に依頼することがベターです。
そして、平均功績倍率法、最高功績倍率法のように、最終の月額報酬を用いる場合は、月額報酬の設定にも注意しなければなりません。
もし、役員退職金が適正か調査される過程で、月額報酬まで不相当に高額と判断されれば、損金不算入となる金額はさらに大きくなるからです。(月額の役員報酬も、不相当に高額なものは損金に算入できません)
つまり退職金をなるべく多く、かつ損金算入できるよう支給するには、月額報酬を決める前から計画が必要ということです。

まとめ 

役員退職金は税理士にご相談を

役員退職金の金額を決めるのは容易ではありませんが、否認されることを恐れて少ない金額を設定するのは、非常に勿体ないことです。
これまでの功績に見合う額を受け取って、第二の人生のスタートを切りましょう。
役員退職金をいくらに設定すればよいか迷ったときは、ぜひ一度ご相談ください。

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