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税理士コラム

不動産賃貸経営の事業的規模と業務的規模の違い

2019.08.29

事業的規模と業務的規模の判定

個人で行う不動産賃貸による収入は、不動産所得に分類されます。
この不動産所得の計算方法には、その不動産賃貸業の貸付け規模が、事業的規模か、それ以外か(業務的規模)によって違いがあります。
事業的規模かどうかは、原則として、社会通念上事業と呼べる規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。
そして建物の貸付であれば、

・貸与できる独立した部屋が概ね10室以上
・独立家屋の貸付けであれば概ね5棟以上

のいずれかに該当すれば、原則として事業的規模として扱うという基準もあります。
「概ね」という表記からも見て取れるように、あくまでこの基準は目安です。
なお、不動産賃貸業が事業的規模であっても、所得の区分は「不動産所得」です。
「事業所得」にはなりません。

事業的規模と業務的規模の違い

不動産賃貸経営の事業的規模と業務的規模の違いは、次の4つです。

資産損失を損益通算できる

賃貸用の固定資産の取り壊しや除却などで生じた損失は、不動産所得の必要経費に算入できます。
事業的規模の場合は、固定資産の損失を計上することで赤字になったとしても、他の一定の所得(事業所得、山林所得等)と損益通算することができますが、業務的規模の場合、資産損失を差し引く前の不動産所得の額が必要経費産入額の上限となります。

【例】
・賃貸収入300万円
・資産損失 △400万円

事業的規模の不動産所得:△100万円→他のプラスの所得(事業所得、山林所得等)と損益通算可能
業務的規模の不動産所得:0円

貸倒損失をその年に計上できる

貸倒損失とは、債権を回収できなくなったときに計上する損失のことで、通常、損失の生じた年の必要経費に計上します。
事業的規模の場合は、通常どおりのタイミングで貸倒損失を必要経費に算入できますが、業務的規模の場合は、その貸倒れにかかる家賃を収入として計上した年度にさかのぼって所得の計算をやり直さなければなりません。

たとえば入居者Aさんの家賃の未払いが、2017年から2019年まで毎年60万円ずつ発生し、2019年の年末に貸倒れを認識した場合、次のようになります。

事業的規模:2019年の不動産所得の必要経費に、貸倒損失△180万円計上。
業務的規模:2017年、2018年、2019年それぞれの必要経費に、貸倒損失△60万円ずつ計上。(確定申告を終えている2017年と2018年は、更正の請求を行う)

専従者給与を必要経費に算入できる

専従者給与(青色事業専従者を含む)を必要経費に算入することは、事業的規模でなければ認められません。
専従者給与とは、個人事業主が配偶者や親族に支払う給与のことです。
通常、個人事業主が生計を同じにする親族に支払ったお金は、必要経費に算入できないのですが、事業専従者に支払う給与であれば、要件を満たすことで、必要経費に算入することできるというルールがあります。
専従者給与は、実質的には家計に戻るお金を必要経費にできるため、個人事業主には非常にメリットがあります。
しかし不動産賃貸経営については、このルールの適用が事業的規模の個人事業主にしかないということです。

青色申告特別控除額65万円を受けられる

青色申告は、事業的規模と業務的規模のどちらでも行うことができますが、事業的規模の青色申告特別控除額は65万円で、業務的規模は10万円となります。

まとめ

事業的規模の不動産賃貸経営には、

・資産損失を損益通算できる
・貸倒損失をその年に計上できる
・専従者給与を必要経費に算入できる
・青色申告特別控除額65万円を受けられる

というメリットがあります。
業務的規模はメリットが少ない部分もありますが、ぜひ、青色申告は行いましょう。
10万円の控除でも、実際の支出なく計上できる貴重な経費ですし、青色申告を行うことには他にも節税メリットがあります。
青色申告を行うには、事前の申請や複式簿記で記帳を行うことなどが必要です。
また、青色申告特別控除を受けるには期限内に申告するなど、いくつか形式的な要件を満たす必要があります。
不動産賃貸経営の税務申告は、税理士にご相談ください。

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