個人事業主が名字を変更した場合の手続きのまとめ
2019.11.29
今回は、結婚や離婚などで、個人事業主の名字が変わったときの手続きについてお伝えします。
名字が変わったときに必要な手続き
さっそく、個人事業主の名字が変わったときに必要な手続きをまとめていきます。
必要書類や官公庁の受付時間などは、提出先に確認しましょう。
戸籍・住民票
戸籍や住民票の名字は、婚姻届等を提出すれば新しい名字が反映されます。
ただし、住所については、「世帯変更届」あるいは「転出届」「転入届」が必要になるケースがあります。詳しくは市町村の窓口で確認しましょう。
マイナンバーカード・通知カード
名字等の変更があった旨の記載を行う必要があります。
新しい住所地が、婚姻届を提出する市町村役場の管轄内である場合は、そのまま名字等の変更手続きができるため、婚姻届の提出時に、マイナンバーカード・通知カードを持参しましょう。
印鑑登録
旧姓で印鑑登録を行っている場合、登録は自動的に廃止されます。
必要に応じて新しい登録申請を行いましょう。
ちなみに印鑑登録は、姓ではなく名で作った印鑑でも登録可能です。
運転免許証
免許証の裏側に、名字等の変更があった旨の記載を行います。
住所地を管轄する警察署、運転免許センターなどで行えます。
パスポート
記載事項の変更を申請します。
戸籍謄本や写真などが必要です。
愛知県の申請先などは、こちらから確認できます。
社会保険関係
個人事業主は、国民健康保険・国民年金について、市町村役場で氏名変更の手続きを行います。
結婚相手が会社員で、その扶養に入る場合は、結婚相手が職場に関係書類を提出します。
その他名義変更を行うもの
その他、必要に応じて下記の名義変更も行います。
・銀行口座
・自動車
・クレジットカード
・携帯電話契約
・証券口座
・保険契約、私的年金等
個人事業主の場合、取引の利便性を考えて「銀行口座の名義を旧姓のままにしたい」という方もいらっしゃるかも知れません。
銀行口座を旧姓のまま使用しても、凍結されるといったことはありませんので、使い続けることは可能です。
ただし、税務に関しては、次項のとおり「還付口座」の指定に注意点があります。
税務署の手続き
税務署は、氏名の変更のみの届け出は必要ありません。
ただし、納税地(住所地など)が変わった場合は、前の納税地の所轄税務署長に「所得税(消費税)の納税地の異動に関する届出書」を提出します。
また、納税地の変更に限らず、事務所の移転については、新たに「個人事業の開業等届出書」を提出する必要があります。
たとえば自宅で開業している方が結婚によって引っ越し、新しい住所を事業所とする場合は、1ヶ月以内に「個人事業の開業等届出書」を提出します。
またその転居が、税務署の管轄外への異動であれば、前の税務署に「所得税の納税地の異動に関する届出書」(消費税は課税事業者のみ)を遅滞なく提出します。
確定申告は新しい名字で
確定申告は、新しい名字や住所で行います。
ただし、還付金の振り込み口座を指定する場合、口座は申告者本人の名義に限られます。
旧姓のままの口座を指定することはできないため、注意しましょう。
離婚であれば名字を変えなくてもよい
結婚の場合は、婚姻届の提出によって、夫婦の新しい戸籍が作られ、戸籍筆頭者の名字を名乗ることになります。
これに対し離婚の場合は、元の名字に戻ることも、離婚前の名字を引き続き名乗ることも可能です。仕事上の支障などを考慮して変更しないケースもあります。
離婚前の名字を引き続き名乗るには、離婚した日から3ヶ月以内に「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を提出することが必要です。
今回は、名字が変わったときの手続きがテーマでしたが、こういった対応もあることを知っておくとよいでしょう。
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