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非課税資産を輸出したときの課税売上割合

2021.11.5

非課税資産を輸出したときの課税売上割合には、特殊な扱いがあります。

消費税の非課税資産の輸出とは

非課税資産の輸出は、本来「非課税売上」

たとえば、身体障碍者用の車いすを輸出した場合、この売上は、「非課税売上」となります。
なぜなら、法律上、身体障碍者用物品の取引は、消費税が非課税になると定められているからです。
輸出であるという以前の問題として、そもそも取引自体が非課税に分類されるという考え方から、消費税は発生しません。
では、これが車いすではなく、消費税が課税される商品の輸出だったらどうでしょうか。
この場合もまた、消費税は発生しません。
理由は、消費地が海外であることから、「課税売上」であるものの、消費税を免税にするという取り扱いがあるためです。
当然、こちらも消費税は発生しません。
非課税資産を輸出しても、課税資産を輸出しても、受け取る消費税が0円であることは共通しています。

非課税と免税の一般的な違い

では、非課税と免税を区別する必要性がどこにあるのかというと、仕入控除税額を計算するための「課税売上割合」にあります。
課税売上割合は、「課税売上高/総売上高(課税売上高+非課税売上高)」で計算します。
免税取引による売上高は、課税売上高にあたりますので、分母と分子の両方に加えます。
一方、通常の非課税売上高は、計算式のとおり、分母のみに加えます。
これによって、もし課税売上高が95%未満になった場合、非課税売上のために支出した課税仕入れに含まれる消費税は、基本的に、仕入控除税額に計上することができなくなってしまいます。
なお、そうした区別をしない計算方法もあります。
詳しい計算方法は、下記をご覧ください。

非課税資産の輸出の例外的な取り扱い

通常の非課税売上であれば、上記の扱いとなるところですが、非課税資産の輸出にあたる非課税売上については、特別なルールがあります。
一定のものについては、これを、仕入控除税額を計算するときだけ「課税売上」とみなして、課税売上割合を計算するというものです。(消費税法第31条)
対象になる取引には、たとえば、下記のようなものがあります。
・身体障碍者用物品や教科書用図書の輸出
・非居住者を債務者とする、利子を対価とする金銭の貸付け
物品の輸出だけでなく、金銭の貸付けから得た利子にもこの取扱いが適用される点に注意が必要です。

非課税資産の輸出を課税売上として扱う理由

仮に非課税資産の輸出を、通常どおり非課税売上として課税売上割合を計算し、その売上のために支出した課税仕入れに含まれる消費税を控除できなくなった場合、その負担は、輸出品の値上げという形で回収されるおそれがあります。
つまり、日本の消費税を、輸出品の対価に転嫁することがないように、非課税資産の輸出については、仕入控除税額を計算するときだけ特別に課税売上とみなすことにしているのです。
なお、課税事業者・免税事業者を判定するときの基準期間や特定期間の課税売上高には、課税売上とみなした非課税資産の輸出による売上高は、含めません。

金融資産等は例外

非課税となる資産には他にもあります。
その中で、有価証券、支払手段、貸付金・預金・売掛金などの金銭債権にあたる非課税資産の輸出は、課税売上とみなすルールの対象外、つまり、通常どおり非課税売上として扱うこととなります。
非課税資産を海外とやり取りするときは、このように消費税の税務が複雑になります。
海外進出をお考えの方は、税理士にご相談ください。

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